2015-06-07 17:08:51EVオーナーズクラブ カンファレンス2015 in HAKONE(2015.5.30) 開催報告 その1 座談会①
お待たせいたしました。2015年5月30日に行われましたEVオーナーズクラブ カンファレンス2015 in HAKONEの詳細内容報告です。
当日は、前日の曇天の天候だったのが一転、箱根の空は晴れ渡り、とてもいい天気となりました。
第一回は総会(約30名)、昨年はカンファレンス(59名)と銘打って実施し、今年で3回目になりました。EVオーナーズクラブ カンファレンスは、回を重ねるごとに規模が拡大し、今年は最大規模の70名の参加がありました。行政、自治体、各メーカーからも多くのご参加があり、情報交換、充実した討議がなされてきました。我々EVオーナーの立場においては、この催しは、EV普及に対する貴重な意見発信の場であると捉えております。ですので、当日討議された内容は、本EVOCサイトにて、正しく公開し、EV関係者に発信していきたいと思っております。
以下、膨大な内容となりますが、「EVオーナーズクラブ カンファレンス2015 in HAKONE」の内容をご報告いたします。
EVオーナーズクラブ カンファレンス2015 in HAKONE 開催報告
- 開催日時:2015年5月30日(土曜) 10:00~17:00
- 次世代自動車試乗会&懇親会(名刺&情報交換会)14:00~16:00
- 開催場所:レイクアリーナ箱根(箱根町総合体育館)2F会議室及び駐車場&1Fラウンジ
- 参加人数 70名(一般44名、15団体26名)
- 試乗車 トヨタMIRAI,BMW i3, BMW i8,VW e-up!,Tesla Motors Model S,日産e-NV200
- 試乗体験者 56名(運転者・同乗者)
- 参加団体(順不同)
経済産業省、神奈川県(産業労働局)、箱根町、小田原市、さいたま市、兵庫県淡路県民局
(株)サイカワ、三菱電機(株)、(株)ヤシマキザイ、日産自動車(株)、フォルクスワーゲングループジャパン(株)、トヨタホーム(株)、三菱自動車工業(株)、アユダンテ(株)、(株)優輝(EVステーション)
テーマは、ご案内の通り以下の通りでした。
1.座談会① 「今後のEVはどうなるのか?現状&予測」 10:00~11:30
PHEV、FCV、なども含む
次世代バッテリーの動向は?
2.座談会② 「V2Hの現状と今後は・・・」 11:30~12:00
最新システムの紹介、検討など
3.座談会③ 「QCインフラはどうなっていくのか?普及&料金体系」13;00~14:00
4.先進EV&FCV 試乗会 14:00~16:00
- トヨタMIRAI 10回試乗(運転車・同乗者17名)
- BMW i3 6回試乗(運転者6名)
- BMW i8 7回試乗(同乗者7名)
- Volkswagen e-up! 7回試乗(運転者・同乗者10名)
- Tesla Motors model S 7回試乗(運転者7名)
- 日産 e-NV200 7回試乗(運転者・同乗者9名)
- 試乗時間中は会場会議室にて懇親会&名刺交換会
では、最初の「座談会①」についての内容です。
まずは、EVオーナーズクラブ 桑原代表より
皆さま、遠くからお集まりいただきありがとうございます。
2013年に第一回総会、昨年2014年の二回目はカンファレンスと銘打って開催してきました。それを踏まえ、本日第三回のカンファレンスを執り行えることを大変有難く思います。
我々EVオーナーズクラブでは、このようなイベントを通じEVを普及していこうとうという目的で活動しています。地球温暖化を少しでも防ぐことができるのではないか、活動を通じて、もっとEVを普及していきたいと思っています。
今回は、座談会をメインとして、経産省、EV普及に積極的に取り組まれている各自治体、EVメーカー関連各社、そして我々ユーザーが一同に介しての意見交換から、議論を深堀し、今後のEVの発展へと寄与できればと思います。どうぞよろしくお願いします。
司会
司会を務めさせていただきます、副代表の箱守です。
それでは、さっそく座談会①を進めていきたいと思います。
テーマは、「今後のEVはどうなるのか」です。EVに関する取り組みの現状について、今後予測についてなど討議していきたいと思います。
まずは、EVの普及状況、自治体さんや、メーカーさんでの取り組みについて、お聞きしたいと思います。
日産自動車 マーケティング本部 小松さま
日産自動車としては、EVをしっかり売っていくという方針は変わらない。全世界へと、EVに関しては特別対応で進めています。今のEVは完成系でなく、今後、バッテリーもどんどん進化していく、ラインナップも広げていく。このような会議で、オーナーさんの声を取り入れていきたい。
私自身、いまe-NV200のマーケティングをやっていますが、ものづくりとマーケティングがうまく両輪として機能し、EVワールドを作っていきたいと思っています。
なお、e-NV200は、リーフと違って1,500Wが直接取れるところです。ガソリン車だと、バンとワゴンの比率は9:1ですが、e-NV200は、ワゴンの比率が半々となって非常に要望が多くなっていて、いま、ワゴンを急ピッチで作っている。また、電気を持ち運べる車、災害対策、防災対策にも使えると思っていて、今後さらにアピールしていきたい。
VWグループジャパン マーケティング 新道さま
e-up!に先立つ形で、プラグインハイブリッドGolf GTE、エコとスポーツを融合するそんな車ですが、日本の皆様に紹介できるようになります。ヨーロッパの環境規制に適合していく中で、車両電動化は必須と考えており、このGolf GTEを投入します。
これから、マーケティングを展開していきますが、EVのコンセプトに関しては特別な車にしないという考えです。売り手側としては、電気自動車だけでこれが特別だという形で進めやすいのですが、お客さまにとっては、他と変わり過ぎている、これはちょっと違うという印象を与えてしまう。Golfの車をベースとしたプラグインハイブリットという車をベースとした電気自動車をリリースし、普通に入ってもらうお客様をターゲットにしています。いま、ゴキゲンワーゲンと言うキャンペーンを行っていますが、そんな世界観をお伝えできればなあと思っております。
三菱自動車 電動車両事業部 百瀬さま
今日は、プラグインの話を本当にしてもいいのかと思いながら、おじゃましております。三菱自動車は、i-MiEVの改良をしないまま新しい車をどんどん作っていてみなさんから大丈夫?と心配されていることと思っています。決して見捨てた訳でなく、EVをやめるという訳ではない、これだけははっきり言わせていただいきたいと思います。社内としては、電池をもっと良くしていき、充電インフラの整備も大事ですが、もう一方は心配しないでも乗れるような車も大事だろうと、こういったところも突き詰めていきたいと思っています。
レンジエクステンダーは、今後伸びていくのかどうかは、議論があると思います。レンジエクステンダーはどうなるかはこれからスタディが始まっていくと思います。EVの航続距離をまかなうためにアウトランダーPHEVを出しました。販売に関しては、いま注力していますが、次の世代は、もう一度というと語弊があるかと思いますが、次の世代はEVと考えています。
司会
今日は、自治体の方にも多くいらしゃっていただいておりまして、自治体のみなさんいかがでしょうか。EVの目標は達成されているのか、冷めているのか、まだまだこんなことをやりたい。そんなところをお聞きしたいと思います。では、一番遠い淡路島からお越しいただいた地白さま。
兵庫県淡路県民局 地白さま・細川さま
太陽光、風力発電、自然エネルギーで自給できる島を目指そうという大きな目標をもち、そのなかの手段のひとつとして、EV普及活動を取り組んでいます。
EVの普及に関しては、淡路島内で、EV、PHEV含めて、平成23年から補助金の上乗せを始め、現在淡路島内で走っているEVは285台、兵庫県全体4700台の6%を占めています。EVの絶対数は少ないですが、普通自動車の登録台数は兵庫県全体の2.5%くらいですので、それと比較して比率は倍くらいとなっています。今までは、補助金上乗せがありましたが、現在は終了しましたので、補助金なしでも、どのように普及させていくのかが、今後の課題であります。EVのイベントや試乗会を企画、EVの新たな使い方の提案をして行きたいと思っています。
EVに関するアンケートを分析すると、航続距離や充電器に関する心配をもっている人たちがあります。ですので、今乗っていない方・不安を持っている方に、EVの不安を解消するイベントを開催出来たらと思っています。
さいたま市、環境未来都市推進課 寺村さま・田中さま
昨年のカンファレンスにも参加いたしましたが、箱根新道の坂道の途中で電欠してしまいました。ご迷惑をおかけしました。今年は、その教訓生かして箱根町さんのQCをお借りして、お金をはらって(笑)、こちらに来ました。
さいたま市は、2009年から電気自動車の普及施策を進めています。昨年はその「E-KIZUNA Project」の説明をさせてもらいましたが、充電箇所が整わないと普及は難しいとのお話から設置の普及を進め、さいたま市内では、企業様が設置されたのが多いですが現在142ヶ所確認できており、インフラ整備が進んでいます。また、EV、PHVに対しても補助を行っています。400台以上の助成をさせていただいています。さらに、FCVに対しても6月から補助金を開始します。
日産さんからもお話があったかと思いますが、防災対策というのもそういったものも必要だということで、EV,FCVは我々の考えとしては、乗り物としてプラスして、電源としての活用も考えています。今後実証実験を始めようと考えている。単なる移動手段だけでなく、災害の際にも使えるものだという風に考えています。
神奈川県 スマートエネルギー課 長島さま
神奈川県は、i-MiEVが発売される前から、2014年度を一つの目標として3,000台という目標を掲げて取り組んできました。昨年度時点で、6,800台、QC400基まで普及しています。平成24年度の頭くらいまで補助金があり、その後終了していますが、その後100台/月ペースで着実に伸びています。神奈川県には、スマートエネルギー計画というのがあるのですが、2017年度までの中間期には、18,900台を掲げています。しかし今のペースでは難しいようです。e-NV200、海外勢が、来年以降出てきてブレークスルーを期待しています。また、FCVに対して、4月1日から募集開始しています。必要な人に効果的な配分となっているかは議論がありますが、最初の立ち上げには一定の補助は必要かと判断しています。
また、EVに関して、最初に補助金出した方が、補助金返納するので財産処分をするということが始まっています。その理由も、使い方にもよると思いますが、本当かなと思うような航続距離に関する辛辣な理由が上がっています。そういった車が中古市場に出回るので、そのあたりをリサーチしていきたいと思っています。
箱根町 企画観光課 斎藤さま
このような火山活動で騒がれている中で、お集まりいただきありがとうございます。正確な情報を的確に判断していただいて、町の情報が正しく伝わっているのかなと感じているところであります。
EVオーナーズクラブの会議には1回目から参加させていただいております。今回も、レイクアリーナもそうですが、この4月から、有料化に移らせていただきました。町の財政も厳しい中、受益者負担としていかないと、継続的な運営は続いていかないということで、町営のQCに関しては有料化ということになりました。
今後のEVの普及に関してですが、限られた財政の中で、さらなるインフラ整備も難しいのですが、この会議に参加させていただいて、いろんな意見を聞かせていただいて、オーナーになられる方に優遇策などを、考えて行きたいと思います。
司会
自治体に是非お願いしたいと考えていただきたいということがありますが、ヨーロッパなんかは、すすんでいて、日本は遅れていると思いますが、EVインセンティブなど検討してもらえばと思っています。排気ガスを出さないきれいな車で箱根を走るEVだと、静かで、臭くない、優遇してもらってもおかしくないと思っていますが、自治体で検討していただきたいと思います。
では、ここで、簡単に、質疑応答の時間をとりたいと思います。
Q1. EVOCメンバー
私はi-MiEVですが、気になっていることがあります。車検や法定点検、近くのガソリンスタンドに出していたのですが、今のEVは出せるのでしょうか?プログラムを変更したり、ガソリン車と同じメンテナンスができるのか、車検、法定点検はガソリン車と同様に出せるでしょうか?
整備手帳には、ソフトのメンテナンス情報は入っていない。買った時は、QCで85%で止まっていたのですが、今は100%充電できるようになっています。ソフトが重要となって来た場合、メンテナンスノートにそのソフトの記載が何もない、そのところメーカーさんはどう考えているのでしょうか?
日産自動車(小松さま)
A.確かにEVはプログラム変更をしてきています。日産は、発売してからどうなるのかわからない、不具合とは言いませんが、いろんな改善策が出てくるかわからないので、できるだけディーラーで商品の品質を担保していくというスタンスで進めてきて、ZESPという商品が生まれてきたわけです。
研修を受けていただいて、EVを取り扱っていただく整備センターを広めつつあるので、できるだけ、みなさんの使いやすいメンテナンスを受けやすいように進化しなければならいなあと思います。
ちなみにガソリンスタンドで車検をやるといったのは、EVは行かなくてもいいところなので(笑)、一番遠いところかなと言う気がします。
整備の記録に関しては、コンサルト履歴上はわかります。確かにオーナーさんには不安があるかと思いますので、どこまで記載するかなど改善策として社内で投げかけてみたいと思います。
VWJ(新道さま)
BOSCH,デンソーさんのような汎用のテスターをもって、対応できるプログラムを解放してやっていることもあるのですが、EVに関しては、一旦は自分たちの方で、管理していくという形で進めていくと思います。
整備手帳に関しては、点検項目を網羅することで責務を果たしているので、記入欄はないと思います。販売店でレコードが残るだけです。ただ、オーナーさんにとっては不安が残ることだと思いますので、持ち帰らせてもらいます。
三菱自動車(百瀬さま)
まずは、整理しておきたいことですが、点検と車のメンテナンスとは、別のものじゃないかなと思っています。車検、法令点検とは、たとえば、ブレーキがちゃんと聞くかどうか、ブレーキのフルードが入っているとか、エンジン排気ガスが基準に合っているかとか、こういったものを検査するものです。皆さんの愛車を長く乗ってもらうため、不具合のあるところを音がするなど、修理するといったのとは別のものです。
ガソリンスタンドや、車検屋さんは、基本点検だけをやっています。一方で、ディーラーさんは、オーナーさんにお越しいただくことで、車のアップグレードがあったりとか、不具合があった場合は、お知らせと、修理をするとか調整をするとか、そこが違うと思います。
点検だけを考えるならば、ガソリンスタンドでも大丈夫かと思います。ただ、EVは、分解を絡むものに関しては、電圧の高い、300Vくらいの電圧を扱う作業となりますので、資格が必要となっています。だだ、それだけの話です。スタンドででも、やれるはずです。
ディーラーだけしか出来ない訳ではなく、ただ、ソフトウエアを書き換えるといったのは別次元で、ガソリン車でも全く一緒で、ディーラー、およびサブディーラーで専用設備がないと出来ない。決して括っているというのはない。
メンテナンスノートには点検項目は書いていますが、プログラム変更は書いていないでしょうね。ちなみに、ガソリン車でも、エンジンの調子が悪かったら書き換えする場合もありますが、それは、当然、お客様に了承を取ったうえで行います。しかし、記録が残っていないというのは不親切でしょうから、カスタマーサービス上記録を残すのは必要なことだと思いますので、改善する方向で、検討したいと思います。
司会
CAN通信で整備が電子化されていますので、ガソリン車をふくめて、ソフトの課題は検討を進めていただきたいと思います。
では、次のテーマ、次世代自動車について、FCVなのか、EVなのか。PHEVなのかと言うことがあると思いますが、まずは、メリット、デメリットを浮き彫りにしてみたいですが、メーカーの皆さん、どんなふうに捉えているかお聞きしたい。
日産自動車(小松さま)
FCVもEVだという考えです。一つの選択肢として、FCVは今後のラインナップとしてあり得ると思います。つまり、小型車から大型になれば、タンクも大きくなり、距離も走るしというところで、EVならではというところと、FCVならではと言うところでは、使い分けと言う形で、ラインナップとしてなってくるかと思います。
ただ、あと、東京オリンピックまでにもっとFCVを出そうよ、というよりは、今は、EVがソリューションとしていいのではないかと思います。2018年なのか19年までなのかは設定してないですが、EVをまだまだ改善していくというのが会社の方針です。
VWJ(新道さま)
明らかに全方位外交というのが弊社の特徴です。今まではFCVを隠し持っていたと云うのが事実で、自分たちの持っている基礎技術の公開に踏み切り、自分たちが出来ることをアピールしています。また、何よりも重要視しているのは、各国の燃費規制に対する対応です。CO2排出量削減に対し、ないしは、環境負荷の低減に対して、どこに効果的にあてるのかということです。プラグインハイブリッドは、ヨーロッパで大きく動くでしょう。アメリカではカルフォルニア規制がある関係があって、EVは必ず作らなければならないとか、様々な要因に応じて最善の手当てをしている。日本だけを見て動くというのでなく、世界の中のメニューの中で、日本というマーケットに何を入れていくかです。VW全体としてのメニューを持って、進めているというところでしょうか。
三菱自動車(百瀬さま)
私たちの基本的な考えからですが、みなさんは、EV vs.FCVとおっしゃっていますが、私たちはあまりそう思っていなくて、FCVのライバルとなっているのは実はプラグインハイブリッドだと見ています。FCVというのは、燃料電池で発電をしてその電気で走る。プラグインハイブリッドはエンジンで発電して、それで走るわけですよね。機構上、FCVに合致するのはEVでなくて、プラグインハイブリッドなんですね。だから、そこでの比較がまずあるでしょう。
もう一つに、発電するのではなくて、エネルギーを貯めて、いろんなところから来る再生可能なエネルギーを使って走る、貯めて走るのがEV。そういう整理をしています。
では、FCVがEVを駆逐するではなくて、EVはEVで一番苦手な航続距離を延ばす仕事が、たぶん一番残っていて、独自の普及の道を歩んでいくんではないかと。
そうではない、EVが達成できないくらいの1,000km,2,000km走る車がほしいよね、EVは電池が完全に開発が進むまでの仮の姿として、FCVもしくはPHEVがあるよね、という頭の整理をしています。
今の時点を考えると、FCVとブラグインを考えると、プラグインは明らかに実現性が高い。インフラもあるしそれなりにできる。FCVは、水素といったインフラを揃えないと大変だね。燃料電池の技術については、トヨタさんに触発されて、各社いろいろと表明されていますが、研究からいえば昔からやっています。粛々とやっている。プラグインの技術を持っていますので、エンジンの代わりに燃料電池を置き換えるとそれでおしまいでしょ、それくらいの感覚でやっています。
FCVが残っていくのかという整理なのですが、いまは、ガソリンが安く手に入っていますので、プラグインというものがあります。もし、本当にガソリンがなくなったら、そしたらEVがFCVと争うのでしょうね。
FCVの水素、これをどうやって入手する? どうやって作るの? というのを考えてみます。いろんな書籍をみると、効率が悪い、高いとか書いてあると思います。水素とは、基本は、自然界になくて、すぐ使えるエネルギーでなくて、何かのエネルギーを変換し水素にして、水素に蓄えて使うというエネルギーですので、水素をどうやって作るかを考えないといけない。今は作るから高いですが、将来として考えたいのです。実は水素は余っているんですよ、捨てちゃうんですよね、というのがあると、そのエネルギーはお金がかかるのではなく、タダですよね。それが見えてきたときには、FCVの答えがあるかなあと技術的な見地からあるとみています。
1つのヒントは、太陽光で発電した電気を、使う必要がない時には、発電しても捨てるだけで、もったいないので、捨てる代わりに水素をつくったら、めちゃくちゃ安いですよね。そうして水素をつくれば、FCVというか水素の利便性は上がってくる。
最後に、その水素エネルギーが車に使われているかどうかは別問題だと思います。自分だったら家に使うかもしれないですね。
司会
水素は基盤が出来てからではないとなかなか難しいのではないかと思いますよね。
三菱自動車(百瀬さま)
水素は、たぶん、インフラとして今のガスの代わりに使われて、しかも、燃料電池使って発電まで出来ちゃって、使うようになるのではないか、そういった社会が基本あるのではないか。本当に水素を使うのか、燃料電池があるのでそれで発電してEV乗ろうよという世界もあって、いまの話では、たぶん2030年、40年さらに先じゃないかと思います。近々としては、プラグインかEVかなあと思います。
司会
自治体はFCVをどうとらえているのでしょうか?
神奈川県(長島さま)
まさに、神奈川県としましても、電気と互換性があるといったところでは将来の次世代エネルギーのかなりの部分には、水素に期待する部分は多いので、水素エネルギー社会というのは、神奈川県として、送り出していきたいと考えています。
車にとなると、今までに家庭用のエネファームがある程度普及が始まっていますけど、あれは、エネファームのところまではガスでくるので、水素を使っているという認識はあまりないわけですよね、初めて、みなさんが水素をエネルギーとしてつかうというアイテムとしてはFCVが一番最初なので、水素社会の実現にむけて、FCVという水素をつかう技術が、ここまできているんだなよという意味はあると思っています。
EVかFCVかいう話は、ユーザーがどちらか選べばよいのであって、距離だとか、コストとか 全然違うものであって、インフラを作っていかないといけないので、個人的には、バッテリーの性能が上がる方が早くて、EVがブレークスルーするのではないかと思っています。
ただ、個人的にこんなこと出来るのかは分かりませんが、プラグインのFCV、つまり、燃料電池をレンジエクステンダーにしたEVにして、それは排ガスOなので。今のトヨタのMIRAIを、電池のところを大きくし、発電の方を小さくすると可能なので、個人的にはそういう風になるといいなあと思います。
兵庫県淡路県民局(地白さま)
淡路島では、いまのところ、水素の関係自体、インフラの整備が出来ていない。FCVは淡路では未検討です。水素ステーションについても、阪神間に整備していこうというところです。去年だったと思いますが、岩谷産業さんが尼崎に水素ステーションを一か所作っているという状況です。
兵庫県全体としましても、水素自体を今後どんなエネルギーとして使えるか、産官学と研究機関をたちあげている状況です。
さいたま市(寺村さま)
エネルギーの分散化というのを考えている。天然ガス車をずいぶん前から実施していまして、東日本大震災のガソリンが止まってしまった時に、天然ガスパッカー車が動いていたという記憶がございます。一つのエネルギーに頼るのではなくて、EVもそうですしFCVにもエネルギーを分散させて考える、という何かあった時に一つに頼るのではないというのがさいたま市の考えです。
FCVという話ですが、FCVに対する補助金をうちの方も出すということを今後とっても大切なものと思っていまして、水素ステーションを作る際に、さいたま市としては補助金を出しています。さいたま市としては、通常のガソリンステーションを作るよりももちろんお金がかかるので、水素ステーションに対して補助金を出しているということです。また、環境センター(ゴミの焼却場)に、さいたま市は、水素ステーションを実は実験として作りました。
ホンダさんと岩谷産業さんとでゴミ発電をつかって水素をつくる、ほかのところよりもコンパクトなものを実験として作りまして、公用車に対してだけなんですけど入れていくというのを行っています。冒頭でも申し上げましたが、一つのものではなく、FCV、EVも天然ガスも、そういったものが合わさって、作り上げることが必要かと思います。
箱根町(斎藤さま)
町としては、そこまで行きついていないというのが現状です。神奈川県さんの方で、水素社会の実現ということで、県民だよりに掲載されたりして、そもそも神奈川県さんと連動してEVの普及している話をしている中で、箱根町としても成熟というか達成していない部分もあるなかで、さらに水素や、FCVまで力を注げないというのが現状です。
司会
急に、FCVの今後に関してのご意見をお聞きしました。ここで、お一人だけご質問をお受けします。
EVOCメンバー
Q 水素社会ということで、電気を貯めた二次活用が自動車で出来るようになってきています。二次利用できる、車としての利用価値以外を生まれてきている。しかし、保証という観点では、既存の車の保証となっている。EVの方は最近遠出をする方もいるので距離も伸びていて、3年で13万km乗っているとか、中には通勤で遠距離乗っているとか、なかには、使用しない時には家では給電として使っている方もいます。普通の車よりは買い替えは早いかもしれないけれども、もしかして電池交換だけで、普通のエンジンを交換するのとは訳が違う車なのですが、そういった車の保証に関して、今後は普通の車と同じような形と考えているのでしょうか?
日産自動車(小松さま)
要は、EVの保証を、ガソリン車として違う形で考えていくべきかどうかということでしょうか? 確かに唯一メンテナンスをやっていくと言うことと、リーフの場合はバッテリーの保証については、容量がここまでなったら、決められた保障を実施することをやっていますが、欧米を含めて、そういった大方針を変えていかないといけないなあと思います。難しい回答かなあと思います。
ホットな話題ですが、欧州とくに米国ですね、ワランティの要望が日本以上に厳しいところがあって、延長してくれとか、距離を伸ばしてくれとか、コストとのせめぎ合いが行われています。それが欧州にいって、それから日本に来て、そしたらグローバルとして新しい考えを生み出していけるかなあと思っています。
VWJ(新道さま)
VWとしましては、車としての保証を“ここまで”としているのが現状です。V2H的な、電池の二次利用を、まだ想定できていないのが現状です。震災の例であるとか、災害の例をイメージして、本社に開発要望してもイメージできないというのが実情で、それよりも車と言うイメージの中でいいのを作ろうとしています。そういったステージに上がった時に、保証の考え方をどこまでやるか検討しなければならないことだと思っています。
三菱自動車(百瀬さま)
皆さんと一緒なのですけれども、ご質問は二通りあったと思います、長距離を乗るというのと、二次利用、つまり、新しい活用の仕方についてだと思います。距離を延ばす話については、ガソリン車でもよくあります。10年10万kmとか、今では10年16万kmになるとか。米でもやっていますが、ものの信頼性が上がっていくことと、メーカーの考え方なのですが、それなりに保証するということは、保険料を頂き、それが車の値段に入ってきて、経済合理性として、お客様に迷惑を掛けない、かつ、メーカーとして落としどころとして利益ある程度取れる、そういった線を整理したうえで返事をするとしています。
機能としては、バッテリーを置き換えたときはどうなるか、これからやるんだろうなということです。今までの前提としては普通の車と同じと思っていましたが、新しいやり方が出てきた、新しい考えが出てきた、ではこういうストーリーの組み立てをしないといけないねとか、これは結構時間がかかるのですけど、これからこういった話をしていくんだよ。新たな活用、自動車会社だから、自動車として活用としていただくのを前提だったので、車以外の目的に使ったら、どうやって保証したら、メーカーもお客様も納得できますか、を整理する必要がある。
距離と時間の軸の以外のもう一つの軸、電池どれだけ使いましたといったパラメータを増やさないといけないのかもしれないし、統計とって、自動車会社がカバーするのかもしれませんが、これは、これから始まるのであって、時間がかかるかと思っています。お客さんが損にならないように考えていきたいので、意見交換をさせてください。
司会
さて、最後の時間ですが、各社、バッテリーの今後について、お伺いしてよろしいでしょうか?
日産自動車(岡田さま)
バッテリーの方ですが、みなさん、ご不満である走行距離に直結する話です。容量を増やしていく方向もあるのですが、内部の電極関係、材料の研究を進めています。バッテリーの容量を増やしていくと、走行距離は伸びるのですが、そうすると重量が増えて、車も大きくなるといいた弊害もあるので、バッテリーそのものの性能向上をする方向にシフトしている。今のパッケージのサイズままで、もっと、能力の高いバッテリーの開発を行っています。
VWJ(新道さま)
わが社はマーケットインしておりませんので、何も言えないんですけど(笑)。
エネルギー密度を上げたものを、次世代バッテリーを載せるべく、まずはマーケットインしてから、と言う状況でございます。
三菱自動車(百瀬さま)
三菱自動車が、どのタイミングでどのバッテリーを使うのかは、言えないので、言っちゃうと来年から来られなくなります(笑)。
電池産業界でいわれていていることを簡単にご紹介いたします。エネルギー密度を上げますということを明確に言っています。今月号の日経オートモーティブでも、EV、300kmへとしっかり書かれています。
あの話が裏付けになるのは電池の次世代化です。一般的に言われているのは、今から3年後、300km走れる車が出るというのは、市場の一般的に公開されていますよね。テスラ、GMは、300km出しますと言っています。しかし、値段があまり安くないんですよね。3万ドルと書いてあって、75千ドルの補助金をもらっているので、実際には4万ドル、500万ですね。モデル3も似たようなものですね。
値段のところでいろいろ問題がまだあるかなと思いますが、次世代化電池が新しく、来年末、再来年くらいですか、私たちも勝手に観測していますが、そういったタイミングで出てくるとみています。
司会:バッテリーに関して、お一方あたり、質問ありますか?
EVOCメンバー
Q.i-MiEVに18万5千km乗っています。先ほど車検の話が出ていましたが、私はユーザー車検を受けまして、結局見るのはレシプロ車と一緒でした。質問は、バッテリーに関して航続距離ばかり出ていますが、是非とも急速充電時間の短縮、ここまで走っていると、あとは劣化も進みます。その辺(劣化のしないバッテリー)に関して取組についてお願いします。
三菱自動車(百瀬さん)
急速充電器の時間を短くしたいという話は、よく、急速充電器の時間がかかるのは、出力と電池の内部抵抗値、この二つなので、内部抵抗値を下げるのは、電池メーカーさんがその方向に進んでいます。電池が大容量化されると、相対的に抵抗値も減るので、基本、大出力に対応できるような技術的な方向性になっています。もともとそういう方向です。
劣化についてテスラでは面白いことを言っていますが、それだけ紹介します。テスラの電池は300回か400回しか使えないそうです。それくらいしか放電できないですって。問題だなあと思いますが、一回でどれだけ走れますかね。カタログ値で500km走れるとするじゃないですか、400回充電すると何キロ走れるんでしょうか。20万キロですよ。ということは、容量が増えてくると充電回数が減ってくるので、耐久性というのはあまり言わなくもよくなってくるんではないの、とテスラの電池に詳しい方のお話でした。
充電の回数が減ると電池は劣化しなくなる方向に進むんです。これは、結構面白いパラダイムで、電池が倍になると、耐久性は半分でいいってね(笑)。ただ、時間は一緒ですから、時間の耐久性を上げるというのは別の次元ですね。
司会
というわけで、電池はこれからも目を離せない状況だなあと思います。このところで休憩をとりたいと思います。ありがとうございます。
以下、座談会②に続く。。。
* 本報告その3 にも記載しておりますが、 本記事内容を無断で引用することはお控えください。