2015-04-07 13:34:12【coco充電】掲載済EVOC関連記事を転載3[EVOCカンファレンス2014編]
EVサムライInterview 十ニの巻 (2014年5月30日up)
箱根にEVが集結!
オーナーから直接EVの魅力を聞いたり、試乗するチャンスも!!
5月10日・11日に、EVのオーナーズクラブである『EVオーナーズクラブ運営事務局』(以下EVOC)が主催するイベント、『EVOCカンファレンス2014 in HAKONE』が開催されました。
EVオーナーたちのオフラインミーティングかと思いきや、一般の方々にEVの魅力をアピールしたり、試乗する機会を提供したりと、EVの普及をも目的にしたイベントなのが特徴的でした。
特に11日は、ザ・プリンス箱根の第2駐車場を舞台に行われた『EVオーナーと語ろう!&最新EV試乗会』という、完全オープン・入場無料のイベントだったのため、 観光で訪れた人が話を聞く・試乗をする、という風景も見られました(海外からの観光客の方が話しかけるシーンもあったほど)。
三菱i-MiEV、日産リーフ、BMW i3などが集結しましたが、基本がオーナーカーなので、それぞれ個性的なのが印象的でした。
皆さん思い思いにモディファイされており、EVライフを楽しんでいる、というのがハッキリと伝わってきます。
そんなEVオーナーの方から直接EVの魅力を聞いたり、試乗(同乗試乗も含む)するチャンスがあったのですから、EVに興味がある、EVの購入を検討中という人にはまたとない機会だったのではないでしょうか。
最新のi3を含めEVのオーナーカーが20台集結!
EVだからできることも再確認できた
オーナーおよび自動車メーカー協力の下、会場に展示されたEVを見たとき、まずその種類の豊富さに改めて驚かされました。
i-MiEV、リーフはもちろん、i3、スマートED、ミニキャブMiEV、アウトランダー等々。
同じエコカーの括りでは、燃料電池車であるトヨタFCHV-advとホンダのFCXクラリティまでもが展示されていました。
オーナーカーは車種ごとにキレイに並べられ、興味のあるモデルをジックリと見ることができました。
実際に使用しているオーナーのリアルな声を聞くことはもちろん有意義です。
しかし、EVに乗ったことのない人からすると、一番興味があるのはやはり"乗り味"でしょう。
そのため試乗は各モデルともに大人気でした。当日予約制でしたが、ほとんどのクルマが予約でギッシリ。
取材スタッフもi3に同乗試乗するチャンスがありました。実は筆者はEV初体験だったのですが、成人男性4人乗車で、極低速から急坂を上る……というシチュエーションでもグイグイ走る姿に驚くばかり。
「EV=エコ、走りは二の次」というイメージを持つ人もまだまだ多いと思います。しかし、オーナーにEVの魅力をうかがうと「走りが楽しい」という返答が多く、それも納得の加速感、ドライブフィールでした。
それでは、実際に試乗した人にお話しを聞いてみましょう。
小松 巌さん (i3に同乗試乗)
EV、いいんじゃないですか。補助金も出るし、新しいもの好きにもピッタリですね。そしてi3は、EVならではの俊敏性が味わえる。
EVは重いというイメージがあるけど、これは車重が軽いということもあって加速がとりわけよいなど、EVのよいところが出ている。ブレーキを踏まなくてもシッカリと減速するのも悪くない。
やはり、軽量のEVはよいな、という印象です。ただ、航続距離は気になるかな。でも、それを差し引いてもi3は面白い。
(ほかのEVについて訊いてみると……)う~ん、これ以外は興味がないなぁ(笑)。
中村 剛 さん (smart fortwo electric driveに同乗試乗)
ボク自身は先月にi-MiEVが納車されたばかりというEVオーナーなんですが、乗り比べるとスマートの方がスポーティですね。
EVとしての加速感は同じだと思うけど、足まわりが硬めであるなど、クルマとしてのキャラクターが違う。
また、会場のオーナーカーを見回すと、同じi-MiEVであっても、同じクルマがないくらいみなさん個性的に手を入れている。
ただ、EVオーナーといっても、乗りたてのほやほやですから、どのくらい走るのか不安はあります。ネットや、ほかのオーナーから情報を仕入れておかないと怖いですね。
あと、こういう集まりは、濃い話が聞けて楽しいです!
試乗は大好評でした。観光で来ていた人がEVに試乗するケースも多かった。そして試乗を終えた後、オーナーと熱心に話しこんでいる様子を見ると、EVに興味を持ったことが判ります。
ほかにも、EVを電源車にしてまわりに電気を供給するという、EVだからできることが再確認できたのもポイントです。実際このイベントでは、ポップコーンや綿あめを振る舞っていたのですが、それらはEVから取り出した電源で作ったもの。
i-MiEVなどに『MiEVパワーボックス』を繋ぐことでAC100V電源が供給できるのです。災害時などでのEVの活用法を垣間見ることができたわけです。
EVにMiEVパワーボックスを繋げることでAC100V電源が得られる。会場では、EVを電源車として綿あめやポップコーンを作り、来場者に振る舞っていた。
オーナーカーのほかにも、実際に活躍しているEVを見ることもできました。
自治体が使用している車両で、とくにユニークだったのは箱根町のリーフです。物語の舞台である『第三新東京市』のモデルとなったこともあり、『エヴァンゲリオン』ラッピングが施されていたのでした。
EVの魅力、ホントのトコロは
オーナーに聞いてみるのが間違いない!
EVに乗ったことがない人は、EVに対して『"エコ"であることが第一、あと走行可能距離が短い』というイメージがあると思います。
そこで、実際のオーナーたちは、EVのどこに魅力を感じているのか、苦労している点はあるのか、普通の内燃機関の自動車とは楽しみ方、楽しめる領域が違うのか……、今回のイベントに参加したEVオーナーたちの声を聞いてみましょう。
えびふりゃ~ さん (i-MiEVオーナー)
仕事で東京電力と関わる機会があり、そのときに乗せてもらったんです。ロケット加速に衝撃を受けました。これはいいクルマだと確信しましたよ。
クルマ購入のタイミングと重なったこともあり、i-MiEVを購入しました。3年乗っていますが、今でも飽きないですよ。
久し振りにガソリン車に乗ったら、あまりの遅さにびっくりしたほど。もう、EVからは離れられないですね。中毒性があるかも!
ボディのラッピングは『とある科学の超電磁砲』という作品です。電気自動車だから、電気のキャラを選びました。痛車のイベントでも評判いいんですよ。
Knight- さん (i-MiEVオーナー)
購入したきっかけは、電気自動車ならではの加速に魅了されたから。音もなく、一気に加速するというのは、今までのガソリン車にはない不思議な感覚でしたね。
そして、近くで行われていたジムカーナに参加したら、それにもハマってしまいました。「Bレンジ」に入れると回生ブレーキが強烈に効くので、それを利用しながら走るんです。このコーナーは、このくらい回生ブレーキを効かせて、と頭を使いながら走るのも楽しいです。
EVというと、シティコミューターというイメージがあるかもしれませんが、スポーツも楽しめるんです。
キクリーフ さん (LEAFオーナー)
デビューした当初から、電気自動車を出すのは凄いな、と思っていたんです。そして結局は買ってしまいました。衝動買いですね。
レイズ製のホイールを装着したり、マーチ用のドアミラーのパーツを使ってドレスアップしていますし、今年からはJEVRA(日本電気自動車レース協会)のレースにも参戦しています。
第1戦では3位に入賞しました。乗り始めて最初のころは、航続可能距離でハラハラしたこともあったけど、今は感覚も掴んでいます。楽しく乗っていますよ。
そのうえで、モディファイや走行会まで楽しめるんです!
よっさん さん (i3オーナー)
家には奥さん用にi-MiEVがあり、自分用としてi3を購入しました。走りそのものは楽しいですよ。4人乗車だとi-MiEVは重さを感じるんだけど、こちらはそんなこともない。そして、i-MiEVより遠くに行けるというのも魅力でした。
だから、フルEV仕様か、レンジエクステンダーかは迷いませんでした(よっさん さんの愛車はレンジエクステンダー車)。でも、エンジンは延命措置なんですよ。バッテリーの劣化対策として、エンジンがあるのはよいと思うんです。
とはいえ、いつエンジンを入れるかは頭を使う。充電ポイントのあるSAまでの距離を考えてエンジンで発電をする、といったふうに。
レンジエクステンダーなら、EVの航続距離に不安を覚えている人にもお勧めできます。
興味深いのは、多くのオーナーが「EVの走り」に魅力を感じているということ。「EV=エコ、走りは二の次」と思いこんでいる人も多いと思いますが、実際に触れ合ってみると印象は変わります。
そして確かに、あの独特の加速フィールは圧倒的で、あの加速感に魅せられてしまう人がいるのも納得です。
さらに、ラッピングやステッカーチューンといったドレスアップだけでなく、ホイールを換えたり、ローダウンをしたりといったモディファイを普通に楽しんでいる人も多かった。
つまり、クルマを楽しむ、という領域においてはEVもガソリン車も関係ないということ。なかにはレースやジムカーナに参加しているEVオーナーもいたほどです。
そしてなにより、EVオーナーの楽しそうな表情!クルマの話を始めると止まらない……、それはEVに満足し、同時に楽しんでいるからなのでしょう。
オーナーの話を聞いて判ったことは、EVにはEV特有の楽しさはあるということ。そして、"EVにはできない"ということは少ない、という事実。
EVだからといって"楽しみ"や"クルマ趣味"に関して諦めなければならないことは少ないのだという印象を受けました。
充電インフラに関する事業者のプレゼン、
自動車メーカーのプレゼンや座談会も企画
イベントでは、EVの楽しさを広めるとともに、EVを楽しむための下地にも着目しています。
EV用充電器を設置する際の、国や自動車メーカーの支援について説明。
10日に開催された『EVOCカンファレンス2014』では、箱根町、さいたま市など自治体での取り組みを紹介したり、充電インフラの今後の事業展開、EVメーカーの次世代への取り組みといったプレゼンが行われました。
(さいたま市は市内の充電セーフティネットの構築に取り組んでいますが、この日さいたま市の方が乗って来られたはフィットEVが電欠で会場までたどり着けず、身をもって充電セーフティネットの重要性を感じることになりました。)
座談会では、熱いEVオーナーが積極的にメーカー担当者へ質問をするなど大盛り上がり。技術的な質問や、オフレコの話もあったので、「参加したかった!」という人も多かったかも!?
11日には、『EV普通充電器設置合同説明会』も催されました。
高速道路への急速充電器は普及しつつありますが、旅館、ホテルといった宿泊施設に普通充電器があれば、寝ている間に満充電になるわけですから、利便性はさらに増します。
充電インフラ導入へのユニークなプランを提案。JTBならではの、EVを組み合わせたツアーの提案も示唆していた。
宿泊施設としても充電器があるという付加価値があれば、利用者を呼び込める……。
ユニークだったのは、JTBの普通充電器設置のプラン。小額の設備投資で普通充電器が設置でき、さらにEVを活用した旅行プランの提案も検討しているそうです。
たとえば、電車で現地に行き、そこでEVをレンタカーとして借りてホテルに移動。その後はホテルを拠点に、EVで観光を楽しむ……と。
このプランが実現すれば、レンタカーでEVを体験して、その後EVオーナーになる、という人も出てくるでしょう。
『EVOC』代表インタビュー
『EVOC』の代表にして、今回のイベントの仕掛け人である桑原さんにインタビューしました。
代表 桑原 文雄さん
このイベントはEVの啓蒙です。去年、第1回目のミーティング『EVOC総会』を行ったんですけど、オーナーだけの趣味の世界だったんです。
そこで今年は、メーカーや自治体などにも声を掛けて、EVの良さを広めようと考えました。それがEVの良さを知る僕たちの義務なんじゃないかな、と。
僕自身、i-MiEV、i3、スマートEVと3台のEVを所有していますが、どれも運転していて楽しいんですよ。楽しくて経済的。
独特な加速の感覚はEVのトラックでも同じです。トラックでもスポーツカーのように加速するんです。
問題といわれる充電ポイントですが、今はもう2000カ所あります。充電インフラが……、というのは昔の話ですよ。ディーラーや高速道路にも急速充電器が置かれるなど、環境は随分変わりました。
あとは、普通充電器の普及。ホテルや宿への設置が進めばよいですね。
ただ、課題も出てきました。充電渋滞です。それだけEVが増えてきた証拠でもあるんですが。
ネットで満空情報が判るようになりませんか? 充電したい時に充電できないと、「なんだよ使えないじゃん」となって普及の妨げになってしまう。coco充電さんもお願いしますよ(笑)。
EVを体験できたり、オーナーの方と交流ができるこうした機会は、EV導入検討者の方にはとても貴重だと感じました。
EVOCの皆様、そしてお声を聞かせてくださった皆様、ありがとうございました!