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2014-05-17 11:29:40EVOCカンファレンス2014 in HAKONE (2014.5.10-11)    開催報告 その2  EVメーカープレゼン


さて、その1に引き続き、EVOCカンファレンス2014 in HAKONE (2014.5.10-11) 開催報告 その2です。

その1はこちら。


午前中のプレゼンと、お昼のお弁当で、お頭も、お腹もいっぱいになったのですが、まだまだ、カンファレンスは続きます。

レポートの中休みということで、レイクアリーナに駆け付けてくれましたオーナーの皆様のEV一同をご覧ください。


i-MiEVが勢ぞろい。


リーフ軍団も負けていません。


アウトランダーPHEV、そしてその向こうにはSmart EDちゃん


ラッピングが目立つ、MINICAB-MiEVです。これに乗って、現場へお仕事~!
かっこいいですね。


そして、また伝説を作ったFit EVです。


なぜか、くまさん、よっさんのi3のそろい踏みの写真を収めていなかった。

ごめんなさいm(_ _)m

さて、頑張ってレポートを続けます。

お昼からは、EVメーカーからのプレゼンテーション(次世代への取り組み紹介)です。


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まずは、三菱自動車(MiEV開発責任者 百瀬信夫様)のプレゼンです。

みなさん、こんにちは。
08年にi-MiEVがちょうど世の中に出ようとしていた時のプロジェクトリーダーの補佐を2年ほどやらさせていただいておりまして、それから、開発本部に戻りまして次世代の電動車両の基礎研究を3年ほどやっていました。今日は、主に今後の電気自動車について、なにを考えているかについて、ご紹介させていただければと思います。
みなさんには、釈迦に説法みたいな話になると思いますが、電気自動車とはいったいどんなものだったかと自分なりに振り返ってみたものがありますので、簡単に説明させていただきます。
電気自動車は、新しいものと市場でいわれていますが、実は、全く新しいものではなくて、ダイムラーのガソリン自動車がスタートと言われていますが、電気自動車のスタートとはというと、1873年に、実は、ガソリン車よりも13年も前に世の中に出ていて古い歴史を持ったものなのですね。この流れっていうのは、実は2000年の初期までほぼ互角、たしか40%のシェアをもつ車でして、三菱自動車もずいぶん昔から電気自動車をやっています。ここにあるのは昔のグループの広報資料なのですが、ミニキャブトラック、ミニキャブバンが出ています。こういった電気自動車は、歴史としては非常に古いものであると、自分の中では理解しています。
非常に古いものですから、ずっと脈々と生きてきたのかというとそうではなくて、結構苦難の歴史があったということをみなさんよくご存じかと思います。一番最初の波は1970年代、排ガス規制が始まったところで電気自動車を作らなきゃという機運が高まり、世の中に出ました。さっきの広報誌もこの時に作られたものです。それで一度盛り上がるかなと思ったのですが、排ガス規制で自動車会社が頑張ったのでエンジンがクリーンになったということで、その波が終わりました。 それで、第二の波のきっかけは、アメリカのZEV 法ですね。カルフォルニアを中心とした大気汚染が問題となって波が来ました。


GMのEV1だとか、本田さん、トヨタさん、日産さんみんな車を出されたんですけれど、うちもハイブリッドの形で出しましたが、これも、また波が収まって今回に至りました。ただ、今回は、“2度あることは3度ある“ではなくて、”3度目の正直“になるのではないかなあと思っています。
一つは、環境からいいますと、確かに、エネルギーの話もあるのですが、脱石油という世界的に石油がなくなるわけではなくて、石油エネルギーに依存しているとアラブのいいことをずっと聞き続けないといけないので、そうでないエネルギーに移行していこうという政治的な流れもあって、エネルギーに対する注目が強くなってきている。そう思うと環境対応として増えていく方向だと思うのです。
もう一つに、みなさんがお乗り頂いている車と同じで、リチウムイオン電池が世の中に浸透してきたというのがすごく大きい。この二つの理由から、電気自動車というのは今までのように一過性のものでなくて、次の世代に活きていくだろうと。これはちょうど、電気自動車が200kmを走るためにはどれくらい電池がいりますかという、車両重量で割った%で書いたものですが、昔は鉛電池だとか、ニッケル水素というのは車体の半分ぐらいが電池という記憶がありまして、なかなかものにならないよねという思いは、過去2回の波だったんですが、今はもう2割を切る値、i-MiEVが1.2トンくらいに対して200kg位の電池ということで、リーズナブルなところになって来た。
これは、車として認知されて、実用に近くなってきたなということで、リチウムイオン電池だからこそ出来たというふうに私どもは理解しています。つまり、電気自動車というのは、いままでは、電池について苦しめられてきのですが、リチウムイオン電池が世の中に広がることによって、やっと市民権をえるときが来たのかなと思っています。

そのリチウムイオン電池がどう進化したかというと、簡単に説明させていただきますと、みなさんに見ていただきたいのは、実は、エネルギー密度 だいだいEVの電池というのは1kgあたり110Wh、ですから、i-MiEVは16kWhですが、150kgぐらいの電池になっているんですね。ところがPCとかスマホの電池はエネルギー密度からいうとその2倍、つまり、i-MiEVであれば150kgだった電池が80kgで使える密度があります。裏を返すと、80kgでなくて、150kg積んだら、今の距離の2倍走れるようになる。こんなようなのが実は見えてきている。リチウムイオン電池も、今までのように航続距離が足らないねといわれるのではなて、電池がもう少し進化しケータイ民生品並になれば、実は、今の倍の300km~400kmが見えてくる。それじゃ、すぐにも積んだらいいんじゃないかと思うわけですが、実は問題なのは寿命なんですよね。車というのははやり、車両のライフサイクルに合わせて電池を持たせたいということがあるので、10年というのを一つ絶対的に確保しなければと思っています。今の民生の電池というのはだいたい3年くらい、ケータイの寿命というとそれくらいのイメージと思っていますので、まあ3年持てばよいでしょうという設定がされている。この寿命と容量のトレードオフが技術的な課題として残っている訳です。



しかし、これも、課題であるからには解決に向かってきっと進んでいくだろうと期待しています。
ただ、期待というだけでは、いつになるの、本当にそういう動きがあるのというところが不安になるのですが、実はここについては、NEDO経済産業省が後押ししてくれています。この中で新しい電池、リチウムイオン電池をどんどん開発していこうという形で、国を推して進めているということです。
これはNEDOの二次電池技術開発ロードマップというのもで公表されているものです。なぜか、日本向けには公表されているのですが、海外向けにはないんですよね。これって日本の中で競争力をきちっと作ってもらいたいという意思があるのかなあと私は勝手に思っているわけですが、この中で、はやり電池は年を追って進歩していくであるということを示しています。



いまちょうど100Wh/kg、これは今ある電気自動車の一つの基準くらいだと思うんですが、2020年までには2.5倍行くだろう、行きなさいというようなシナリオが描かれています。2030年には500Wh/kgとこうなると、リチウムイオン電池ではないと思いますが、5倍くらい目指していくんだよ、国としては20年先くらいにはこれくらいに開発していこう、技術的なものをもっていこうということで、目指しているということを表明していただいている。業界も電池業界さんも、結構、これに沿った動きをしています。さすがにこれにぴったりついていっていないかもしれませんが、その間くらいは見えてきている。ここ数年から5年の間にはそういったものが世の中に出るんじゃないかと、ちらちらと話が聞けるようになってきた。非常に楽観的に言っていて申し訳ないのですが、私たちもその言葉を受けて、次のステージというのを考えないといけないなあと最近は思っている次第です。当然、電池が高くなると困るねということで、NEDOさん、金額についてもかなり強く言われています。250Whだったら、1Whあたり2万円にしなさい。ケータイの中でも言われていた3万円というものから2万円にしなさいと、非常にアグレッシブな目標を設定している。実はこの資料は、社長が電池業界さんとの集まりの中で見せて、是非やってくださいと宣言していた表なんですが、こういった形で、電池メーカさんには、是非安くしてくださいとお願いしていますし、そうすると電気自動車も安くできますから、今ですと、だいだい5万円とかそういう数字をいわれるじゃないかと思うのですよね。MiEVがでたころにはその倍以上と言われていましたけど、だいぶ下がってきている。やっと車として、赤字を大きく出さない程度に提供できるような状況に近づきつつあると思っておりますので、是非ここまでいけばちゃんとした一つの車のバリエーションとして展開できるんではないかと思っております。やっぱり、電池というのが一つのキーになるだろうと私たちの理解でして、これからも進めていきたいなあと思っている次第です。

そんな話を、電池メーカーさんだけにお願いしているわけにはいかなくて、実はメーカーとしてもこういった取組をしています。
簡単な紹介ですけど、電気自動車でアメリカのヒルクライムレース(パイクスピーク)に出ています。過去2年出ていますが、2年とも1位をとれない、去年は一位はAPECの田島さんに獲られちゃった。その前はトヨタさんが作って来た車にやられちゃった。2回とも2位なんですけど、今年こそ絶対1位とりたいと頑張っています。



レースというのは山を登る簡単なレースですが、20kmです。片道20kmを上ります。スタート地点2862mという標高でして、富士山の7号目くらいでしょうか。ゴールは4300mですので、富士山より高いです。そこまで一気に登るレースです。インディと同じくらい90年位歴史のある2大レースの一つに参戦しているんですけど、面白いのは、電気自動車というのはこういう高地を走っても全然性能がおちなんですよね。ガソリン自動車は4000mくらい上がっていくと空気が大体6割くらいしかないので、パワーも6割くらいになるので、非常にスピードが落ちてくるですが、電気自動車はスピードが落ちないのですね。今だいたい互角に走れるくらいの能力となってきていて、今年はなんとかして電気自動車で総合優勝を狙いたいと話をしています。
このレースで、電気自動車のポテンシャルの高さを訴求していきたい。電池は外に期待する。車のポテンシャルはこういった活動で皆さんに理解していただく。以上のようなことをやろうと思っております。電気自動車についての取組みというのはここまでやっていこうということですが、いま、つなぎなのかもしれないのですけど、もう一つの電池の能力が上がっていくまでは、PHEVというのも企画をしていて実際に販売している。当社のプラグインハイブリッドの位置づけって、ハイブリッドではなくて、あくまでもプラグインハイブリッドEVなので、EVの連続ということを私たちは訴求しています。この辺も電気自動車に対しての取り組みということで考えている理由です。長距離のドライブのとこだけ、ハイブリッドになればいいよね、日常の生活というのはEVでできますよ、というのを、この車を使って体感していただければと思っています。こういった形で三菱自動車としては電池の将来性能を期待しつつ、会社としてはこういった電動車両を20%絶対作る、2020年までには達成、マイルストーンとして2015年には5%やっていくということで、こういったものを全面に押し出して、今にもまして進めていきたいなあという考えです。
参考までに、一充電航続距離を拡大しますといっていますし、お求めやすい価格(お求めやすい価格はいくらなの(笑)と議論がのこっているんですけど、こういったことをやっていくんだとコミットとしてださせていただいています。また、座談会、懇親会の席でもちょっとお話をさせていただきたいと思います。

一方、電気自動車は普通の車として訴求していけばあまり広がりはありません。やはり、電気自動車というのは新たな価値をもっているよということを皆さんにお知らせして、只の車でないんだ、ほかのことができるんだと広めていく、自動車会社からいうと、市場を広める、商売としてのパイをおおきくするための努力を一方でやっています。

電気自動車は当然おなかに電池を抱えてますから、いろんなことが出来るねということなります。 i-MiEV発売時から考えてていまして、09年、東京モーターショーの絵ですが、車はクリーンだよといことで、ソーラーパネルをつかい家で充電できるよ。排気ガスをださないので、家の中で荷物の出し入れをできるね。こんなコンセプトを提案させていただきました。当然このコンセプトというのは、2年後にMiEVハウス2という形で展開することになったんですが、この時は、只充電できるだけでなく、おなかに抱えた電池を有効活用しようと、エネルギー自給自足という言い方をしています。太陽光で発電した電気を車に貯めてそれを家で使いましょう。最近よく言われているVehicle to Home をこの中でもみなさんにご紹介している。つまり、電気自動車というのはただの車でなくて、大きな電池でもあるんだよというのを理解してもらって、有効活用してもらえないかということを考えて展示しております。おなかの電池にコンセントをつけていろんなものを動かす1500Wくらいでしたら、簡単に動かす。いや、直接家につなげましょうとか。ここでミソになるのは、太陽光と充電しているバッテリーとは非常によく似ていることなのです。



太陽光とは普通発電すると、大体300Vの直流の発電をするんです。皆さん乗っている電気自動車のおなかに抱えている電池だいだい300-400Vの直流で出してきます。
おなじ、300V級の直流がでてきているので、それをACコンバータをつかって、家に供給できる。こちらの太陽光発電と、このコンバータとはすでに太陽光発電システムとして存在しているので、太陽光パネルの代わりに車をつないだら家につながるちゃないかと、電気メーカさんと話をすると、そのとおりですというんです。技術的にはそんなに難しくなく、出来るということが確認されている。実際世の中でそういった実験がはじまっていたんですねよ。日産さんでは、Leaf to Homeですよね。
また、コンセントだけでは、MiEV Power BOXといいうものを商品化しています。コンセントだけではつまらないので、次のステージは家とか社会にということで、これが世の中ののV2H、スマートグリッドといわれるものとなっていますね。電気自動車というのは、スマートグリッドが広がっていくと一緒にひろがっていくんではないかと期待をしています。
じゃ、自前でそういった実験をやろうよということで、手前みそですが、車から電池をだせるようにするだとか、太陽光をつかって発電するとか、スマートグリッドの実験というのをやっています。画2010年からやっていて、2012年4月から実証実験稼働して、ちょうど2013年で実験自体は一区切りし、いまは実際動かしていて次のフェーズに入っています。
ここにあるi-MiEV5台を放電できるように改造(いまはできるんですけど、当時は改造)これをスタンドにつなげることで、後ろのビルの電力を賄おうとやっていました。
ここの改造というのは、実はMiEV Power BOXのソフトウエアに展開されてまして、実際に放電ができるようになっている。これから出てくる車、全部放電ができるようになってきていますし、みなさんお乗りいただいている車も、ソフトウエアの書き換えをしますと、おなじような機能を持てることができます。そういった実用化の展開も始めています。また、電池だけ切り離してリユースの蓄電池としてつかえないかという実験もやっています。



この取り組みは、門田さんのところのLeaf to Homeでもやられていますし、電気会社様も積極的に始めてられています。2011年6月に、シャープさんがうちをつかって車との充放電という話をされていますし、三菱電機さんはうちの車だけでなく、LEAFもi-MiEV両方つかえるそういったパワコンという充放電スタンドを作ってそれをつかって実験をやられていてられて、すでに2年になるんですかね。もう量産化されるのではないかといっていますし、最近、新聞報道でなんかあった積水ハイムさんがVehicle to ハイムという名でやられている。LEAFとつながりますと、明確にいわれていますね。実際に商品として出てきています。こういった取組がどんどんふえていくだろうと。
海外でもこんな実験もやっていますよということで、スペインでも実験をやっていますし、電トラで農業におけるEVの活用ということ取り組みを始めています。また、これから、カーシャアもやっていきたいなとおもっておりまして、i-MiEVまだ、しばらく売らなければならないなあと思っていますが、ただ売るだけではなく、市場としてこういったいろんなことに使えるんだよということを皆さんにご紹介していければと思っております。
今後のとり組として考えていることの紹介でございました。ありがとうございました。

 
Q 常に私たちが思っているのは、電気を融通できないかなと思っていますが、電欠した車に対してEVで出動し、チャデモコネクターでダイレクトにつなげば充電できるじゃないかとよく言われていますが、そういった開発はされていますでしょうか?

A i-MiEVがでた最初のころはそういったtryをしたことがあります。
 普通に考えると、完全に直結すれば簡単だよね。でもそうでななくて、ペットボトルを2個いきなりつなげて途中の抜くと、すごい勢いでお茶がながれますよね。水の高さが電圧と思っていただいたけばよいのですが、つないでダイレクトにドンとやると、あっという間に流れて、つまりここがショートするイメージになる。それで、良くないので、この部分にちょっと穴を小さくするだとか、可変バルブにするだとか仕組みが必要になるんですね。つまり、制御する機器が必要なのです。


この場合、左右の水の高さが一緒になる移動は止まりますよね。満タンにできなかったりする問題がでたり、太くしたり、場合によっては片方から圧す機能が必要となるんですね。開発自体は難しくないので、実験は実際にやりました。出来るねとわかりました。JAFさんと話はしましたが、そこから止まっています。技術は可能、考え方は可能、お客さんはどこにいるの、いつもの鶏と卵の世界に入っている。これからEVが増えてきて、電欠する方が増えてくると、そういう話が始まると思います。技術的にはクリアとなっているので、あとはやるだけ。ディーラにそういった装置を配備するかというのも考えましたが、時期的に難しいなあというのが本音です。

Q.  MiEV Power BOXがLEAFに使えないか?
A  電圧がすこし違うんですね。基本的にはできるのですけど、MiEV Power BOXはMiEV前提に電圧設定していて、本体の中身の電圧範囲が違いそのままでは使えない。ただ、使えるように考えています。チャデモという意味では、充電の規格はちゃんとやってきたが、出す方には規格がないのです。オフィシャルでは言えないんですが、放電の規格をチャデモさん経由で、お話はさせていただいています。 今のMiEV Power BOXは、ソフトウエアで対応できる範囲と思っています。

Q. LEAF TO HOME にも給電できるようにもなっていると聞いたんですが、
A. 現状では出来なんいんですよね。オフィシャルにはつながりません。(笑)
繋げたことはあります。(大笑) 近日中に明らかになると思います(爆)




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つぎに、日産自動車(リーフ開発責任者 門田 英稔様)のプレゼンです。



きょうは、お招きいただき、また、貴重な時間を頂きましてありがとうございました。
自動車会社の人間がプレゼンすると、似てくるんだなあというふうに思いましたね。(笑)
これから私のするプレゼンは、百瀬さんのプレゼンの日産版と思っていただきたいと思います。(笑)

今日3つお話します。
①日産どれだけ、どんなところで売れている?
②商用車NV200
③今後どうなっていくのかというのを私見を踏まえてお話させていただきたいと思います。



さきほどの百瀬さんの説明で、出ては消え、出ては消えとお話がありましたが、古くは第二次世界大戦が終わった1945年日本のガソリン代が急騰しまして、もう、ガソリンの車は走れないんではないかという時期に、弊社では「たま電気自動車」という電気自動車をだして、タクシーでも使っていただいていました。


ちなみにこの前オーナーズミーティングを関西大学でやらしていただいた時に走った姿を見られた方がこの中で何人かいらっしゃると思いますが、社内でレストアしていこうというサークルがあってですね。たま電気自動車をレストアして、蘇らせているという、サファリラリーにでたシルビアをレストアしようという活性化のプログラムが社内にあるんですが、このたま電気自動車もいま走っています。
第二次は、先ほどお話があったように、排気ガス規制の強化とともに、オイルショックの話があって、当時の通産省が音頭をとっているとなっていますが、各社一斉に電気自動車をはじめました。その中で、日産もカルフォルニアとか、日本でも30台だしましたがリチウムイオンを搭載したハイパーミニ(Hypermini )は現役で日本で走っています。そして、2010年にリーフを出しまして2014年1月に10万台を達成しています。

何回かお話しで出てきていますが、インフラを整えるのに4社で頑張ってやっていこうねという動きも出ていますし、このチョイモビとかいてあるのは、ルノーの前後に乗る2人乗りで、彼らも1万台以上売っているんですが、日本のマーケットで、今、検証を進めようと、横浜で100台ほど配備しています。皆様も会員登録されると、確か1分20円、乗り捨てできるシステムです。ですから、横浜弊社の本社ビルから中華街まで走って行って、そこで乗り捨てることが出来て、30-40分乗って800円くらい、タクシーとトントンくらいで走れるプログラムです。関心のあるかたは、チョイモビというところをみていただきたいと思います。
社内でリチウムイオンを一貫してやって来たということで、電池のリユースとかリサイクルだとかそういった会社を作りながらどうやって電気自動車を普及させていこうかといことに対して、考えられる手は全部検討していこうというスタンスで今話を進めています。
リーフの結果ですけれど、11万1千台売っています。一番売れているのはアメリカで4万7千台、出だしは日本がぐっと出たのですが、アメリカに抜かれています。欧州は経済状況が今一度よくないということもあって2万3千台にとどまっております。アジアでは中国でも売れ始めています。こちらの工場の写真はアメリカのスマーナ工場と、英国のサンダーランド工場で、12年くらいから電池工場を含め現地生産化しています。日産リーフは日本の追浜だけでななく、サンダーランド、スマーナと、ぼちぼち中国でも作り始めるようなボリュームになっています。
今回、もう一回出てはまた消えるんだろうとは全然そうは思っていません。ひとつの私の根拠ですが、日産リーフの中には携帯電話が乗っているんですね。PCUといってテレマティックコントロールユニットこれが、カーウイングスデーターセンターに24時間ずっと繋がっていて、車の状況を全部モニターできるようになっていることなんですね。
お客様がこういったスマートフォンから、車とのコミュニケーションを図って、車の充電状態を知れるとか、エアコンを事前に賭けられるとか、こういった工夫ができるんですね。ここが、90年代に一度出たけどたけど消えちゃったねというのと、私は決定的に違うんではないかと思うのです。短い航続距離というものをもっているモビリティーなのですけれども、即時性をもってこの車のサポートができるという社会インフラができているんだと思います。
初代のリーフに乗ってらっしゃる方は、ナビ画面をポッと出すと、ここまで行きますよと計算をしてくれます。自動スポット更新ということで、充電箇所が増えていくたびにどんどん自動で増えていくのですが、12年のマイナーチェンジでかなり大幅に車のハードを含めて変えました。立ち寄りの充電スポット案内、今のまま走っていると到着できませんよという状況になり、車がそう判断したときに、箱根の湯本のあたりで充電されたらいかがでしょうか、それをナビ上の経由地に登録しますかと聞いてきますので、ハイってやると、お勧めの充電スポットを表示してくれ、そこに自動的に導いてくれるというサービスを付加しています。



この場合は、伊豆半島の方に行くシーンですが、伊豆半島にもみるみる増えていっています。そういったスポットを乗り継いで、乗り継いで行けるようにしますから、お客様は、いままでのように長距離をドライブする際に、あらかじめ下調べしていたところが、割と車にのってでもできるような感じになってきたなあということですね。あと、12年のマイナーチェンジで追加しましたが、充電スポットが、今営業中なのか閉まっているのか知りたいというニーズがございまして、そういったことに応えるいわゆる満空情報です。たしか大阪の方で始まっているサービスで、今開いているよ、行っても充電中の車いるよといったトライアルもマイナーチェンジ以降の車には搭載している。こういったことを一つ一つ使っていただいたお客様と直接的な意見を聞いて、そんなのできないといっているエンジニアに、おまえらそんなこと言ってるんじゃない、すぐ作れというよなことをやってますし。(笑)
高速道路を気持ちよく走っているとみるみるうちに減るんですね。そうはいっても、省エネルートというのがあって、一般道ですけど、信号が無くて結構走りやすいルートをちゃんと検索しようと、到着した時にこれくらいの電池が残る、行けない時には赤になるようにマイナーチェンジ後には搭載されています。計算スピードも上がってきて、かつ、周りの情報を瞬時性をもっと取れてきているので、航続距離の短いリーフでも使えてきているんではないかと思います。ただ、そうはいってもやっぱりリーフを購入していただけないお客さんの3つの理由は まず、値段が高い。航続距離が短い。インフラがまだ整っていないから私まだ買えないわという意見が多いので、もちろん、値段に関しては下げる努力を頑張りたいと思いますし、航続距離の延長も先ほどの百瀬さんもあったように電池そのものの努力だとか、そういったところで伸ばしたいと思っておりますし、インフラも4社で頑張って育てて
いこうということです。


これからe-NV200の説明ですが、開発の責任者でないので、質問されても困っちゃうこともあるので、これだけ勉強してきました、というところだけお話します。(笑)

商用EVということで、私もリーフ始まったころから、次はなんですかねと聞かれていました。おそらく商用車でしょうねと言っておりました。商用車って毎日同じようなルートを計算してずっと使える車なのですよね。クロネコヤマトの宅急便の自分の荷物がどこにあるか瞬時にわかって、次の日の配送パターンも見事に決まっているシステム化されているところに、航続距離の見近い商用車であっても、そのビジネススキームができるのではないかと思っています。人も電気も運ぶということで、もともとリーフ、i-MiEVも共通のことがありますが、力づよい加速、静粛性、乗り心地いいとか、こういったところに加えて、カーゴスペースをちゃんととった商用車といった収納性をあげて商品価値にプラスしています。パワートレーンはリーフものをe-NV200に移植しています。ただし、フロアーとしてはバンとしてカーゴスペースを取りたいので、バッテリーの本体は流用なのですが、ケースからは全部、この車にアプリケーションするように新たに起こしており、車にジャストフィットするようにしています。


n-NV200のアピールポイントというのは、リーフと共通したところがありますが、特に、1500Wを取り出せるコンセント2か所搭載されています。ビジネスで使われるお客様が、パソコンなどいろんな用途の容量を使う場面や、地域イベントの電源供給、災害時にも車から取り出せますよという点です。


初期の購入価格っていうのは、ガソリンのバネットに対しては高いです。
82000kmのったときに損益分岐があって、ガソリン価格:157円、電力価格15円/kWhという前提をおいていますが、電気のほうがおとくです。月に1400km走るお客様が5年で82000km、月1000kmの方が、7年で82000kmということで、そんなに多い距離ではないのですが、ちゃんとこの辺でメリットが出てきますということになります。

実用化に向けての実証試験ですが、イオンさん、コカ・コーラさん、DHLさん、日本郵便さん、FedEx(フェデックス)さん等で、この車はかなり乗り込んでいただいて、かつ、先ほどさいたま市さんからありましたが、栃木県庁さんも実証試験でつかっていただいたので、お買い上げいただきたいと思っています。(笑)

三つめは、今後の展望です。
新たな価値創造ということで、百瀬さんのプレゼントとかなりかぶっています。
知能化と、Leaf to Home、ワイヤレス充電、インホイールモータの4つの切り口です。

やはり、知能化っていうのは、今後車を考えていかないといけない、車っていうのはずっと我々の生活の基盤みたいなところを作り上げてきて、発展にも貢献してきました。ただ、横軸に一人当たりのGDP、縦軸に一人どれくらい移動しているのかと調べてみますと、GDPが高い国USA、Germanyなど、一人当たりの移動距離は長い、逆にGDPが低い国はそれほど移動距離がすくない。人が移動する距離そのものが我々のGDPを引き上げていく、つまり豊かになればなるほど移動距離が長くなるという傾向が見て取れる。ただし、車による移動距離がどんどん増やしていくと、社会的には車によって渋滞、交通事故、地球温暖化、エネルギーの問題ということが当然起こってくるわけで、自動車会社としても、二つの切り口でこれを考えていかななくてはいけない。一つは電動化による燃費向上、これはハイブリッドも含む話ではありますが、EVも燃料電池も電動という切り口を必ず持っている。
知能化のところですが、交通事故がなぜ起こるんだというのを分析し、車がもう少し知能を持ち始めると減るのではないかというところを切り口として、車の周りでなにが起こっているんだということを認知する。たとえば、人が前にいると判断して、車を止めに入りるといったオペレーションにはいりましょうというようなことをやっていく知能化によって交通事故を減らせるではないかと思うのです。みなさん、ETCで自動に自分の車の存在を知ってそれを課金されているわけですけど、見えない街中の交差点でもお互いETCとかお互いに識別できれば、出会い頭の事故は防げるわけですよね。簡単に言っちゃうと、車の知能化によって、交通事故が減らせないかということの取り組みをやるべきだと思いますし、実は、電気自動車というのは、アクチュエーションというところのほとんどが電動化されているので、こういったところから知能化の車を生み出していくんではないかと個人的には思っています。

次にLeaf to Homeの話です。
Leaf to Home入れられている方いらっしゃいますか? 2人いらっしゃるんですね。大体2000件こえています。日本では3万8千台売れましたといいましたが、5%くらいの方がLeaf to Homeを入れられています。Leaf to Homeがほしいんでリーフを買ったというお客様が中にいらっしゃる。蓄電池の割にはよく走るじゃん!(笑) 車の開発をした人間からしたら、がっかりするような話を時々きいたりするですが。(笑)


ニチコンさんがやられているのは6kWですね。余談になりますが、おそらく今年の夏以前に数社出てくるという噂をきいています。ここらあたりのワット数があれば、ご家庭の冷蔵庫、テレビ、エアコン、炊飯器、このあたり夕方に一遍に使うかたも多いですが、6kWあれば、大体ピークマネージメントできるかなあとおもいます。
直流のDCの360Vぐらいがリーフの公称電圧なので、ご家庭の100V、200V 50Hz60Hzに落とし込んでいく、PCSと言われているユニットをご家庭に入れていただいています。電力のピークカットにも役に立ちますし、リーフの24kWhがあれば、2日、もしくは、一週間くらい耐えようと思ったら耐えられる。
こういった使い方を実際にいらっしゃって、その経済性にかなり満足していただいているというふうに認識しています。
これから先のところですが、リーフを使っていて思うのですが、充電ケーブルを家に置きっぱなしにして使っていると手が汚れるのですよね。これはいかんともしがたいなぁと。地面において、そこに入ってくると、誘導電流で充電していくのですけれど、こういった技術も、モノにしていきたいと思っております。また、インホイールモーターも車の姿を恰好を大きくかえる技術で、研究レベルですがやっております。

主なQ&Aです。
Q. モーターの改良、進化は?
A. 今日の話では割愛しましたが、相当な進化を遂げています。リーフのモーターはA4サイズという小さなモーターで80kWの出力を出しています。電池ほどのドラスティックな上がりかたは、これまでの進化と比較すると伸び代が少ないです。
A. モーターというのは、技術的な エンジンとモーターというのは、複雑ではないというといけないのですが、やれる要素が限られている。モーターの効率は8割後半~9割くらいある。エンジンは効率よくても20%そんなイメージで、如何に30%に近づけるかというレベルです。PMモーターを使っているとか、SRモーターと言われていますが、それは安くする技術で、高回転、小型化という方向です。銅銭がすくなくなりますし、磁石が小さくなるので軽くなる。高回転になることで、初期に出す電流が少なくてもトルクが出るので、より低速が強くなるとか。

Q. i-MiEVのMに乗っていますが、高速走行時80kmから90kmに上がると電費が悪くなるのですが、モーターを2段にするなどして、高速でも比較的電費よく走れるアイデアはないのでしょうか?
A. モーターの場合、80kmから90kmに変わったところで効率が悪くなるといったことはなく、むしろ、空力の抵抗が増える分だけ電費が悪くなる。ガソリンエンジンは、車速が上がっていくと燃費のいいところがあって上がっていく。電気自動車は、速度で効率があまり変わらない。


と、ここで、門田さんから特別資料を見せていただきました。
 EVOCコンファレンスという、公開の場でのご提示ではありますが、掲載は控えます。

 
A. リーフでは20km/hで走ると16km/kWhくらいの数字の電費をたたくんですね。24kWhあれば300km走る。それがとたんに高速にいくと極端に落ちてくるのは、これは、フラットな場合(0%の場合ですが)の線ですが、空気抵抗です。リーフでも、i-MiEVでも、i3でも落ちてしまいます。40km/hで走っているときに対して100km/hだと半分以下ですよね。実は、もっと、電費に効いているのは勾配なんです。勾配がきついと1/4に落ちるんですね。これは、物理の法則でどうしようもない。

この後、大サービスで門田さんかから、リーフのどういう風に電欠を知らせるかという「電欠ビデオ」を見せていただきました。

このあと 座談会に移ります。 こちら



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