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2019-08-01 22:31:10ニチコンV2Hセミナー(2019.07.27)_その2・・『トライブリッド蓄電システム』

その1に引き続き、『ニチコンV2Hセミナー』のレポートです。
その2はトライブリッド蓄電システムについてです。

プレゼンは、ニチコン(株)の西山様です。

・太陽光や蓄電池は、世界的にみれば、「助成」から「規制」へと向かっている。たとえば、米カルフォルニア州では、2020年1月1日より、すべての新築住宅に太陽光パネルの設置と義務付けているとのこと。
・米ハワイ州は、米国で分散型太陽光発電の浸透率ナンバーワン。しかし、太陽光発電の導入拡大により系統に悪影響が生じてしまった。系統の信頼性を保ちながら、「再エネ100%」を達成するため、同州の太陽光発電プログラムは蓄電池併設を前提に大きく変革されているという。

◇ニチコンのめざす世界と取り組みは、
・太陽光発電の最大活用による再生可能エネルギー普及促進
  -①蓄電システムの普及で自家消費率を上げ、自給自足社会を実現する。
  -②VPPへの対応で、日本のエネルギー政策へ貢献する。
  -③太陽光発電で次世代自動車を走らせ、CO2削減で地球環境に貢献する。
・エネルギー循環型社会の実現に寄与する。

⇒太陽光、蓄電池、EVの市場の広がりを背景に、上記世界の実現を目指して、トライブリッド蓄電システムを開発、製品化した。

トライブリッド蓄電システムとは
 自宅の電気はもちろん、新たに電気自動車やPHVとも組み合わせられる。太陽光からうまれた電気を使うことで、電気自動車はソーラーカーとして生まれ変わる。

 ポイント1、太陽光発電+電気自動車
 蓄電システムによって、昼間、太陽光発電の電気を蓄電池にためて、夜間に電気自動車へエレムーブ™(DC→DC伝送で高効率)。
 
 ポイント2、「もしも」の停電時も、電気を使えるから安心。
 停電したとき、蓄電池、電気自動車にためた電気から、自動で自宅へ給電開始。長期間の停電でもしばらくの間電気が使える。蓄電池の電気を使いきっても、太陽光で発電すれば、また蓄電池に電気を蓄えられる。

 ポイント3、後からシステム拡充可能
 太陽光パネルや蓄電池の増設、さらに後からV2Hスタンドを追加することも可能です。ユーザーの暮らしに合わせてシステムの構成を変えることができる。

 ポイント4.DC-DC伝送 電気を高効率に使える。
 太陽光、蓄電池、EV間の、電気を移動させる際に電気の変換をほとんど必要としないので、つくった電気をムダなく使うことができる(※ タイプ1 の場合)

トライブリッド蓄電システムの構成
◆トライブリッドパワコン(ESS-T1,ESS-T2)
 タイプ1、タイプ2の2種あり。既設の太陽光パワコンに置き替えてDC-DC接続するためにはタイプ1が必要。タイプ2は既設のパワコン下に接続、AC充電、AC-DC変換での接続となる。

トライブリッド蓄電池(ESS-BS、ESS-BM)
 電池容量4kWh、ライフステージの変化に合わせて増設し、合計8kWhに拡張可能。屋内設置となる。納戸や階段下の空いたスペースに設置可能。
 10年無償保証、初期値50%の容量保証付き。

V2Hスタンド(ESS-V1)
 電気自動車を大容量蓄電池としても活用できる。
 系統電力、太陽光発電や蓄電池から電気自動車への倍速充電が可能。特に、太陽光からはDCで蓄電可能。蓄電池からもDC-DCで、エレムーブ™で、無駄なく電力移動が可能。停電時には、電気自動車の大容量バッテリーから家庭へ電気を供給できるので、災害時のバックアップ電源としても非常に有効。

トライブリッドシステムの設置例
 
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新型EVパワーステーションと同様、多様なモードがあり、太陽光、系統、EV、蓄電池どれを優先するかをあらかじめ設定が可能

■連携時の出力例
 例として、四つのパターンについて図解
  ① 家庭での負荷 5kW 太陽光は3kWで発電、太陽光で不足の2kWを蓄電池から供給
  ② 家庭での負荷 5kW 太陽光は2kWと下がると、EVから1kWを贖う。
  ③ 家庭での負荷 8kW 太陽光は3kW発電、蓄電池2kW放電、EVからは1kW放電、足らない分の2kWは系統から買う。
  ④ 家庭での負荷 2kW 太陽光は5kWで発電、自家消費2kWの残り3kWhのうち、2kWを蓄電、1kWを売電
  蓄電池、EV、系統のどれを優先するのかをあらかじめセッティングすると、すべて自動で切り替えてくれる。 

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■停電時の動作例
 停電時においても予め優先順位を設定していると、その順番で電力を供給。

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◇本日のまとめ
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■質疑応答から
・タイプ1(ESS-T1:ハイブリッドタイプ)は、基本的にはどこの太陽光パネルにも適用可能(既存のパワコンを外して、トライブリッドシステムと入れ替える)。
・但し、メーカ保証が継続されるか否かは太陽光パネルメーカによって対応が異なる。
・各社ともに特定の販売店様が保証を取り付けておりますので、各販売店様にご相談ください
・トライブリッドパワコンとV2Hスタンドのみでも導入は可能。ただし、後から蓄電池を追加することを前提としてお勧めしたいとのこと(このメリットは太陽光発電をDC-DCでEV充電できること)。

以上、実際の動作の状態がよく理解できました。『新型EVパワーステーション』『トライブリッド蓄電システム』両者とも、期待通りのシステムでした。

 

以下、本セミナーを受講後の感想ですが、

『トライブリッド蓄電システム』はDC-DC伝送可能で無駄なく太陽光の電力を使うことができる理想のシステムであることは間違いない。いまにでも導入したいと感じているが、一番のネックは価格。新築時に導入する方が多いとのことですが、既設住宅にも廉価に導入できるように期待したい。


『新型EVパワーステーション』は効率面ではトライブリッドには劣るものの、特にスタンダードモデルは破格の価格設定となっていて非常に魅力的である。低価格にも関わらず、停電時にも放電(給電)機能(スタンダードモデルは3kVA、通常時プレミアムと同等の6kVA)という基本機能が備わっているので、より一層の普及が期待できる。リモコンと停電時6kVA、停電時の太陽光での充電がマストではなければ、このスタンダードモデルはお勧めだと感じました。

停電時にも、EVへの充電、6kVAの給電といったより充実の機能が必要なら、プレミアムモデル一択ですね。

最後になりましたが、本セミナーをEVオーナーズクラブメンバーに特別に開催していただきましたことに、ニチコン(株)関係者様に大変感謝いたします。

ありがとうございました。
 

*なお、本レポートの内容はEVオーナーズクラブ/ニチコン(株)が共催して実施したセミナーです。レポートの内容を断りなく転記するなどはお控えください。また、製品の詳しい内容は、ニチコン(株)様のお客様相談室などにお問い合わせいただきますようお願いします。

(文責:藤田和弘)


以下参考情報です。
トライブリッド蓄電システムのお客様相談室はこちらです。
 0120-215-086(フリーダイヤル)
*EVパワーステーションの窓口とは別です。

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トライブリッド蓄電システムのHPはこちら
http://www.nichicon.co.jp/products/tribrid/

トライブリッド蓄電システムのカタログはこちら
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以上



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