2019-08-01 22:26:18ニチコンV2Hセミナー(2019.07.27)_その1・・『新型EVパワーステーション』
ニチコン(株)さんのご厚意により、V2Hセミナーを実施しました。
会場は東京、大阪の2会場で実施、本レポートは東京会場で実施された概要を記します。
実施日:令和元年7月27日(土)13時~17時
場所 :ニチコン(株)東京支社(日本橋)
参加人数 33名
実施項目
Ⅰ.V2Hとは・・EVオーナーズクラブ 桑原代表
Ⅱ.『新型EVパワーステーション』について・・ニチコン(株)NECST事業本部車載・V2H・急速充電電気グループ ビジネスグループ長 関氏
Ⅲ.『トライブリッド蓄電システム』について・・ニチコン(株)電源センター蓄電システム企画部 副部長 西山氏
Ⅳ.質疑応答
説明内容
Ⅰ.「V2Hとは」 桑原代表からプレゼン。
①V2Hの誕生の背景から、その概要
3.11以前原子力発電の夜間余剰電力を使ってピークカットと電力使用料金の節減の為にV2H(Vehicle to HOME)システムが誕生。
現在では原発は稼働していないので、深夜割引の根拠がなく、夜間電力の価格も上がってきている。またPV・風力などの再生エネルギーが多くなってきているので、昼間のピークがなだらかになり、ピークの時間帯もずれてきている。
昨今では、大規模災害や、ブラックアウト対策としてV2Hが見直されてきて導入のきっかけとなっている。
②V2Hの種類、利用パターンについて
1)系統電力から夜間EVに充電して昼間ホームに給電
2)PV(太陽光発電)を併用したシステム
3)系統非連携(旧EVパワーステーションタイプ)と、系統連系型との違い
4)DC-DC伝送を可能にしたシステム(トライブリッド)
③桑原宅の実例紹介(V2Hの導入効果)
④FIT卒業者の対応について
1)EV&V2Hを導入してグリーンモード(*)で使う
*グリーンモード:昼間のPV余剰電力をEVに溜めて昼間に使うモード
2)定置型蓄電池を導入する(V2Hまたは蓄電池単体)
3)売電単価が下がっても(8~10円と言われている)そのまま売電を続ける:何もしない
4)既にV2H導入の人はグリーンモードに切り替えか、機能が不十分であれば買い替えを検討
などを説明されました。
Ⅱ.『新型EVパワーステーション』について
次に、『新型EVパワーステーション』について、ニチコン(株)関様より説明頂きました。
◇『新型EVパワーステーション』で出来ること
1)EVを非常用蓄電池として活用できる
リーフ40kWh蓄電池なら、2~3日分相当
リーフ62kWh蓄電池なら、3~4日分相当
最大、4日間、停電時にも通常の生活ができる。
2)倍速充電で快適な自宅充電が可能となる
リーフ 40kWhバッテリーに対しては16時間が8時間に。
リーフe+ 62kWhに対しては25時間→12.5時間に短縮(日産HP)
また、インテリ充電が可能。
インテリジェンス充電機能:家庭の消費電力を常時モニターし、使用電力に合わせて充電可能な電力調整をおこなう。充電時にブレーカ―落ちの心配がない。
3)電気代の節約に貢献する(夜間電力を蓄えて昼間に自宅へ給電)
夜貯めて、昼、家で使う。
ピークカットにより、電気基本料金削減に貢献(電力需要のピーク電力により基本料金が決まる事業所向けに特に有効)
4)太陽光発電の有効活用(使い切れず余った太陽光発電はリーフに充電)
これが最大の特徴!
◇『新型EVパワーステーション』の特徴は下記の通り。
特徴1 ユーザーニーズに合わせた2タイプ(「スタンダードモデル」、「プレミアムモデル」*)をラインナップ
特徴2 従来のV2Hから大幅に進化
特徴3 EVとの組み合わせで蓄電池としてハイコストパフォーマンス
*「スタンダードモデル」と「プレミアムモデル」との大きな違いは次の3点。
・通常時の出力は最大6kWと同じだが、停電時に3kVA(スタンダード)、6kVA(プレミアム)
・メーカー保証が、2年(スタンダード)か、5年(プレミアム)
・耐浸水性、耐塩仕様が高いのがプレミアム
・ケーブル長が3.7m(スタンダード)、7.5m(プレミアム)
といったところ。何と言っても価格が倍近く違うので、スタンダードモデルは普及を後押しする戦略的な価格となっている。
◇新型V2H 5つの進化点
1)系統連系対応 ・・・・便利・低コストになった(中継ボックス等不要)
2)本体スイッチ・表示の進化(天面コーナーに配置、操作しやすい位置)
3)リモコンがスマホアプリ化(プレミアムモデルのみ)
4)目的に合わせたモード選択
5)メンテナンスフリー
1)系統連系対応から順に説明。
新型は系統連系対応となったこと。給電時のモードが多様で便利。
フィルタ―が無くなりメンテンナンスフリー、中継ボックス等が不要となり低コストとなった。
2)本体スイッチ・表示の進化・・・操作性の改善。本体スイッチは天面コーナーに配置、操作しやすい位置になった。
3)リモコンのスマホアプリ化(プレミアムモデルのみ)。
自由にダウンロードでき、デモンストレーションとして確認できるとのこと。
4)目的に合わせたモード選択
大きく進化した機能。目的に合わせた多様なモードを選択できるようになった。以下5つ動作の例を説明。
4-1)充電時の動作について
充電時は太陽光発電・電力会社の電力をEVに充電
太陽光発電を最大限充電に活用
4-2)放電モード(PV余剰充電機能OFF)の動作
*FIT中の方向け・・・余った太陽光発電は充電せずに売電する
4-3)放電モード(PV余剰充電機能ON)の動作
*卒FITの方向け・・・太陽光・EV・家庭の電力に合わせて「EVへの充電」or「EVからの給電」を選択
4-4)(EV)グリーンモードの動作
グリーンモードは家庭で消費しきれず、余った太陽光発電をEVへ充電するモード。放電(給電)は行わない。
4-5)停電時の動作(プレミアムモデルの場合)
停電時は太陽光で発電した電気を家庭で作ったり、EVへ充電したりできる。
*ただし、EVが満充電近くなると、太陽光発電機能を停止させる場合がある。
*停電時に、EVへ充電することができるのはプレミアムモデルのみ。
特にPVとの連携に多様なモードが備わったので、FIT中の方でもFIT卒の方にも、好みのモードを選択することで使い勝手の良い製品となっている。
5)メンテナンスフリー
従来モデルでは、停電時起動用電源(鉛バッテリー)を搭載していたが、新型モデルは廃止、車両からアクセサリー電源である12Vで起動するようにした。
以上、『新型EVパワーステーション』の説明でした。
『トライブリッド蓄電システム』については、その2に続きます。
****************************
以下参考
★『新型EVパワーステーション』のニチコンお客様相談室窓口はこちら
★『新型EVパワーステーション』のHPはこちら
http://www.nichicon.co.jp/products/v2h/index.html
★『新型EVパワーステーション』のカタログはこちら