たけやぶやけたさんのBlog
日本のEVの足かせになった「どうするトヨタ」 2023-02-15 07:40:15
トヨタ 豊田章一郎名誉会長が死去 世界有数の自動車メーカーに、2023年2月15日 6時12分
2023年02月15日豊田章一郎の死とともに自動車の意味を考える
名古屋市出身の私は、否応なしにトヨタとさまざまの接点を持っていた。以下は、私がタクシー運転手だったとき、章一郎夫妻を松坂屋まで送ったときのことを書いた。http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5827890.html
私が、短時間ではあるが、豊田章一郎夫妻を客として送迎したときの印象をいえば、巨大企業のトップ、特権階級としての傲慢さや奢りはいささかもなく、謙虚で誠実な人柄が伝わってきた。
息子の章雄氏も、年季の入った自宅で油まみれになってエンジンと取り組んでいた姿を垣間見た。
「ああ、これがトヨタなのだ……」
と強く感銘を受けた。とともに、「職人国家」としての自律的な面目と矜持を感じた。
トヨタが営利第一主義の奥田・張体制下でレクサスブランドを立ち上げるまで、章一郎時代は、私の知る限り、「大衆車に生きる」という強い意志とプライドを感じる企業だった。これは鈴木修前スズキ会長も同じだった。
トヨタは、まさに1960~1990年までの「日本時代」をナショナルなど家電業界とともに代表する企業だった。
この時代の日本製品は、すべて素晴らしかった。もう、こんな良いものを作れる時代は二度と来ないかもしれない。
なぜなら、竹中平蔵=小泉純一郎が安定雇用を破壊し、労働者の企業に対する帰属意識と誠実へのプライドを破壊してしまったからだ。
現在、大半の日本企業の主力は「派遣労働者」であり、「生涯を捧げる帰属企業」という「愛社精神」を持った労働者を追放してしまったのだ。
トヨタもまた、奥田・張時代、派遣社員に依存する体制になってから、貧しい一般大衆ではなく金持ち目当ての、営利第一主義レクサスブランドを前面に押し出し、トヨタの本当の骨格であるはずのカローラを軽視し、滅多矢鱈の多様化車種による売り上げ第一主義に陥っていった。
私も、名古屋市のディーゼル車使用禁止令が出るまで、タウンエースバンを長く利用したのだが、章一郎が経営を取り仕切っていた1980年代は、会社がうまく機能していた印象で、修理などのメンテナンスにも不満はなかった。
しかし、ギャンブラーと評される奥田碩がトップに就任した1995年あたりから、代理店が利益第一主義に陥り、顧客の信頼を失っていったように思う。
私の車も、車検に出すと、ブレーキパッドを全部交換したはずだったのに、車検後、ブレーキがキーキー鳴り出し、調べてみれば、費用だけとって実際には、まったく変えていなかったことが判明した。(カローラ愛知、黄金店)
私は詐欺だと憤り、怒鳴り込んだことがあった。
以来、私は車をスズキに変えて、現在までスズキの軽自動車しか使っていない。
トヨタは利益率の高いレクサスブランドを立ち上げてから、明らかに大衆車を軽視するようになったと思う。だが、スズキは章一郎時代のトヨタにあった大衆奉仕の精神を持ち続けてきた。
鈴木修が引退してから、たぶんスズキも金儲け優先の高級ブランド化して、「大衆に奉仕する」職人国家日本の精神を失うのではないかと一抹の危惧を抱いているのだが、さて、これからどうなることやら……。
天体観測が趣味なので、いつもこんな予測で寝る暇もありませんが、大河ドラマ「どうするトヨタ」かな?