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2016-06-24 22:55:00EVOCカンファレンス2016 in HAKONE(2016.5.21)  午前の部 その2

午前の部(その1) はこちら

[EVOCカンファレンス2016 in HAKONE] 討議内容 レポート 午前の部(その2)

必要な実走行時の航続距離は?

桑原)

 ある調査会社で「EVは何km走ればよいか」とアンケート調査したことがあるらしい。大まかなところで「350km走ったら買うよ」という結果がでているそうですが、ここで、問題なのは、500km走ると言っても、結局は350kmしか走らないじゃないですか。カタログ上はね(笑)

 500km、350kmという議論自体がおかしくて、350km走るというのは実走行ですよね。実走行350km走るということは、カタログ上は500kmくらい走らないと、350km走らないということですよね。

内田)

 いまそうですよね(会場 笑)。ただ、2018年ころになると、バッテリーももう少し進化しているので、そこまで落ちてこないと思いますね。今、実は、最大の課題というのは、駐車場と道路の問題なのです。簡単にいうと、2トン超える乗用車は、日本で売るのは難しい。駐車場に入れないので。駐車場の規格で2トン以下といる制限があるのが大半なのです、公共の駐車場は、2トン超対応のものは作れない。テスラさんはいい車を作っていますが、やはり重いですよね。そうすると入れる車が限られてしまう。日本の車業界では、どこでも走れるものにしないといけない。制限を設けるとどうしても売れる商品にはならない。ここにもいま課題があるのです。ここの課題がもしなくなると、今でも、航続距離が長い車なんて簡単に作れると思います。

 

桑原)

 エネルギー密度が上がるということは、重さはそんなに変わらないということですよね。

 

内田)

 おっしゃるとおり、バッテリー自体の重さはかわらないです。実は、車両の重さを軽くするというのは、バッテリー以外の課題があるのです。安全性を保つための補機類です。バッテリーだけでなく、この辺の部品関係が軽くなってくると、より大きな電池を積むことも可能なのです。

 

司会)

 さて、今のお話で、だいたい方向性が見えてきたと思いますが、2018年2019年あたりが一つの峠、2020年になると、色々でてくるようですね。ヨーロッパの車はそのまま来るのかと思うと、結局、中国と組んでくるようです。

 

内田)

 インドのタタとも組んだ新しいのも、噂にありますよね。

 

司会)

 いま、お話しのなかで、充電器の話もでてきましたけど、バッテリーがおおきくなってくるということは、チャデモで対応できなくなるというところに来ちゃいますよね。

 

内田)

 そこは、チャデモがどうかわってくるのかなとみるしかないですね。

 

桑原)

 その話は、午後ですね その話にはいると、午後無くなっちゃいます(笑)

 

司会)

 楽しみがなくなるので、飛ばします(笑)。

 話題を戻しますが、航続距離に関して、配送センターなどのトラックはどれくらい走るか聞いてみましたが、一日60kmですって。60kmだとミニキャブ・ミーブを買ったらどうだろう、10.5kWhでも十分行けちゃいますよね。

 

内田)

 これには、課題があるんですよ。ミニキャブ・ミーブも良く仕上げているのですが、やっぱり、荷物を加えると走行距離落ちますね。重さが加わると、電動車両には、はやり負荷がかかります。そうすると電池に熱を持つ。この熱を持つことによって航続距離が保てなくなってしまうという課題もある。電池を積むというのは冷やさないといけない。こういうものもついて回ります。ミニキャブ・ミーブも継ぎ足しでうまく走らせていくと、非常にいい車です。

 

司会)

 内田さんに直接聞きますが、直近では、BMWのi3が出て、VWは発表だけで止まってしまいましたが、次世代のEVは、2018年、2019年、2020年位から本格的に海外勢も入ってくるとして、その航続距離とか、充電時間などはどれくらいのものが予想されるのでしょうか

 

内田)

 現状では、充電時間は変わりようがありません。ここは、基本的には車からの指令でやっているので、入る量というのは変わりますが、充電時間は変わらない。難しい言い方をしてしまいますが、車に搭載している電池がどれだけ熱を持っているか、これに応じて、クルマから急速充電器に命令を掛けているだけ。時間を変えることはできない。

 2020年頃に主流になってくるスペックの予測は難しい。値段に応じて変えてくるというのが自動車メーカーです。ただ、そんなに高い商品は売れないと皆分かって来ているので、ヨーロッパ勢は、700万円くらいまで抑えてくると売れると思いますよね。いま、聞いているボリュームの車というのは、大型はない。中型、今ベンツのAクラスがありますよね。あれより少し大きいくらい、これくらいのボリューム感で開発している車はよく見ています。

 

司会)

 やっぱりセダンですか?

 

内田)

 これはセダンでは無いです。SUV化しているワゴン車ですね。ここに特化していますね。

 

2020年の普及期、充電インフラの課題は?

司会)

 2020年位になると、充電時間がかわらないとなると、充電場所の問題が出てくる可能性もありますよね。

 

内田)

 ただ、航続距離が少し伸びるので、現状のインフラでも、そんなに混乱は起きないのではないかとみています。というのは、一般のお客さんが乗る距離は大体限られて来ますよね。その距離を走れるEVが出て来ますから。ロングランで走るお客さんを別としたら、充電する回数がかなり減ると思うのです。2018年になったら充電の待機時間は減ってくるでしょうね。長距離走るユーザーだけが外で急速充電する。それ以外のユーザーは、滞留といったらいけないですが、量販店などで1時間とか2時間、200V充電するお客さんが増えてくる。急速は、逆に減ってくるのではと。少し貯めただけで家に帰れるわけですので。これで十分な時代になるのではないでしょうか。また、これからの車には回生モードをかなり強化してきてきますから。

 

桑原)

 回生率は、将来はどれくらい上がるのですか?

 

内田)

 それは、答えられないのですよ。実は、今走っている車のバッテリー温度によって、回生率が変わってしまいます。

 

桑原)

 でも、基準を決めればよいでしょう。たとえば20度とか、25度の時とかを決めるなどして。私がi-MiEVに乗っていたときの感覚では、回生率は30%位かなあと感じていたんです。ところが、i3に乗ったら、確実に50%以上回生しているだろうなあと雰囲気を感じる。

 例えば、山の登り下りを含んだ長い距離を乗ると、これくらい回生しているなあという感覚があるんですよ。客観的なデータはないですが、大体50%くらいという感じがするんですよ。値は、真に受けないでくださいね(笑)。

 そして、50%とか60%という高い回生率になってくると、電池の減りが少なくなり、持ちも良くなりますよね。また、電池が大きくなると、僕は、1.5世代と読んでいますが、今のリーフは30kWhで、i3も今年末には33kWhがでるという話ですが、それも、大きさが変わらずに、密度を上げてくるのだとおもうんだけれども、だいたい1.5倍くらいと思っていますが、その次、第二世代の密度2倍になったバッテリーが、日産の発表だと、次期フルモデルのリーフですと500km走るといっていますよね。この前NHKでリーフの開発担当者がでてきて、500km走ると言っていましたよね。その500kmが、カタログ値なのか実走行なのか、わかりませんけれど、おそらく日本人がいうのはカタログ値だと思うんですよね。今のリーフの30kWhの倍走るということですよね。ということは倍の密度ということですよね。そうなった時の、充電はどうなるのでしょうか?時間がかかるのといいますが、今の30kWhのリーフは、24kWhタイプと変わんないといっていますよね。その分速くなっているようです。

 

(会場から)

 温度の変化が緩やかになって、80%以上になっても変わらないようです。

桑原)

 今までと同レベルまで80%まで行っちゃうよ、ということですよね。では、次のバッテリーでは、同じように早くなるのかと思うのです。もちろん、温度の話は非常に奥が深くて、特に冬、古いのに乗っている場合には、冬は全然入らないじゃないですか? 今後の1.5世代、2世代のバッテリーの場合、マイナス10℃の時に充電したら、いままで比べたらどれだけ入るのだろうというのがすごく心配ですよね。i-MiEVなんか、申し訳ないですが、交換前の古いバッテリーの時など、-10℃で充電したら、30分で30%くらいしか入らない。みなさんも経験されていると思いますが、特に、バッテリーが古くなっていると、充電が遅くなるという問題があって、次の新しいバッテリーというのは、温度特性が良くなって、低い温度でも、ぐいぐい入るのか、そういうところはどうでしょうか?

 

内田)

 東芝さんのバッテリーが、やぱり、各社の目標値であるようです。あのバッテリーは実は、97%までストレートで入っちゃいます。それも短時間で。あれだけの中身に、熱に対する制御をかける電池、これが出てくれば、速くなりますよね。SCiBは、使っているうちに容量も増すんですよね。この方向で、各社研究していると思います。今の、現行型はどうしてもパソコンのバッテリーから出てきていますので、ダメです。

 

司会)

 さっきのお話しで、ニヤッと笑っている方が何人かいらっしゃいますが、たぶん東芝のSCiBの電池の方ですよね。私も含めて(笑)

何度も来ている箱根の同じルートで帰ると、ここから関東三菱の小田原なのですが、ここから大体35~37%位回生している感じですね。あと、寒さは非常に強いですよね。2年まえの大雪の時、首都圏ではたいした雪では無いのですが、夜に、日産のディーラーで夜に充電させてもらったら、僕の前にディーラーさんのリーフが20A位くらいだったのに、僕のi-MiEVは125A出たので、ディーラーの方が集まって来たんです。そういうのがありましたね。ですので、その辺の制御の違いがかなり電池によってちがうのかなという体験がありました。

 

内田)

 ありますね。どうしても、電池は、走行しているとき熱をもつので、ここの制御をうまくコントロールできれば今の電池でも十分使える。寒いときは熱線いれるとか、暑いときには冷却するために違うものをつけるとか、こうすることでも、今のバッテリーでも変わります。でも、そこまでのことは、メーカーは、まだやらないというのが現状です。テスラだけですね。テスラも冷却するのにももともと違う部材を使っているじゃないですか。特殊なものです。あのような化学をやっている学者が作ると完成度高いと感じます。ただし、大量生産となると、まだ、課題があると思います。

 

テスラモデル3ショック

桑原)

 テスラの話がでたので、ちょっとよいですか。テスラモデル3が、みなさんご存じのとおり、40万台の予約が入ったということに対して、僕はすごくショックを受けました。鈴木さんどうですか?日本がEV売れていないなかで、44万台の予約が入った、一か月足らずで予約が入ったんですよ。リーフが5年かけて20万台しか売れていない、それを、足った1カ月で40万台以上予約とれたということは、EVの可能性がすごくあるんだというふうに、カルチャーショックでした。

 ああいう商品を、皆さん作ってくれれば、爆発的に売れるんだろうと思うんですよ。テスラには補助金いらないですよね。430万円でオプションつけても500万円という話ですよね。そういう車をみなさん待ち望んでいることだと僕は思っていて、鈴木さん、ショックうけませんでしたか?(笑)

 

鈴木)

 ショックというか、可能性を感じましたよね。リーフも、正確な数字は知りませんが、最初、受注を受けたときには結構数が行っていたのですが、実際に販売が始まると、数が落ちて行ったということがあったようなので、テスラもどういう風になるかは、クルマが実際に発売されて、実車してみて、これだったら乗ってみようと本当に購入に結びつくまでは、何ともいえないのかもしれない。ただ、この数年のEV,PHEVという世界的な流れの中で、可能性は非常に感じたというところだと思います。

 

内田)

 実際、40万台という数字は最初疑りました。ただ、日本だけでなくて、全世界では40万台しか、という見方も出来るんですよ。世界を見たときには、ものすごい勢いでEV化が進んでいる。この中でみると、もっと行っても良かったのではないかと見ている。そういう見方もしている。日本国内で40万台と言われたら、それは凄いなあと思います。世界中で見たときに、EV,PHEVの普及率といったら、数%ですよね。このなかで40万台といくといったら凄い数字ですが、もうちょっと行ってもらいたかったというのが本音ですね。

 

司会)

 いくつか質疑応答の時間としたいと思います。

 

リチウムイオン電池を超える革新型蓄電池への取り組み

EVOCメンバー)

 NEDOで、2030年までに革新的蓄電池の発表が最近あったかと思いますが、あれは、まだまだ、具体的にどんなものかというのは無いようなものなんですよね(笑)

 

内田)

 この表、見てわかるように、これからだと思うのですよね。実際にはまとまっていないのだと思うんですよね。現状で、2020年度を迎えたときに、どこまで到達しているかということだと思います。

 

桑原)

 国は、研究費の補助として、かなり高額の補助をしていますよね。いろんなメーカーさんにも。今後も補助は継続していく方針ですか?

 

鈴木)

 一応、その予定ですが、実額は分かりません。合わせて50~60億円くらい補助をしていると思いますが。

 

桑原)

 研究開発機関に補助しているということですか?

鈴木)

 京都大学を中心とするチームという形だったと。間違ったこと言うといけないので、そんな感じとしておきます(笑)。

 

EVOCメンバー)

 電池の話で、古くなった電池の市場が、リサイクルの市場は今後どうなっていくでしょうか? 

 

内田)

 リサイクルの話は非常に難しくて、日産さんが進んでいると見方しかできないです。それ以外はほとんど進んでいないと思います。いろんなことをやろうと思っても先に進んでないのが見えます。日産さんは非常に先行して、いろんなところにいろんな仕掛けをしていますね。一般の人には目に触れないところが多いですけれど。

 

EVOCメンバー)

 たとえば、リサイクルが進んで、新しい電池の価格が下がるということがありますか?

 

内田)

 リサイクルとは関係ないところで、新しい電池が出てきます。いまの電池はそのまま消滅して、新しい二次電池に変わるということだと思います。違うものにかえるというリサイクルではなく、リユースという形で再利用しているというのが現状ですね。

 

安川)

 電池の話が出ましたが、いまのリチウムイオン電池は、東芝さんのものを置いておくと、ちょっと、トヨタさんの搭載電池が、結構急速充電に強いようです。よりハイブリットに近い電池を出しましたが、一般的に一回30分という時間は変わらないというなかで、20分で80%まで入るという電池なので。

 ポルシェが発表された、800Vだから早く充電できるというのも違うと思いますが、15分で80%まで行けるというのを発表されています。たとえば東芝の電池が載ったら、もっと早く10分とか5分とかが実現するかもしれません。充電器の能力が大きければの話ですけれども。BYDの作っている電池よりも急速充電性能が倍高いもの、現行のパナソニックとは、たぶん中身が違うものを出てくるということを、一応匂わせる発言をポルシェさんはしているが、私たちが知る限り、そんな電池は売っていないと思うのですが、では、一体だれが作っているのでしょう?

 

内田)

 私もその話題に興味があったんですが、どこ調べても出てこないんです。実際には、現状と同じものを使っているとしか思えません。リスクの部分で割り切っているのか、上限の設定のリスクがリチウムイオンはあるのですが、その限界値まで使っているだけだと思うのです。交換ということを考え始めているとしか今のところ思えないですね。

各自治体での取り組みについて

司会)

 では、自治体さんからもお話しを伺ってみたいと思います。

 実際に乗ってみて、どんな事をお感じになっているか。EV振興のための施策や、駐車場の話、充電器の話、補助金の話で、多岐にわたるかとは思いますが。

 

神奈川県エネルギー課:佐藤)

 四月からの新人です。EVの感想ということで、素人の感覚で本当に正直な話なのですが、PRの為に車両はあるものの、自由に使えるEVがありません。ここくるにあたって、近所のディーラーでリーフを借りて乗ってきました。しっとりしていて、静かで、街中で乗るには、全く不安のない、十分な能力があるんだなと、完成度の高さを感じました。マニアックな感覚ですが、しっとりカーブは曲がるし、○○は、カーブはちょっと怖いかなあと、実はあったりしたり、ここだけの話です(笑)。

 

 

 

 

さいたま市:田中)

 前任も田中というものでして、一年で隣の部署に移りました。2年前に、その田中の電欠事件がありましたので、今日は電車で参りました(笑)

 さいたま市は、いい絆プロジェクトということで、持続可能な低炭素社会を目指して、EVを普及しておりました、2009年より始めておりまして今年8年目になります。今年度は、いついつ、どこでやりますとお話ししたかったのですが、内部的な都合があり、これから組み立てるところでございます。

 さいたま市の補助金の方ですが、22年度から開始しておりまして、27年度につきまして、単価7万円で、50万円ほどのEVの補助の実績がありました。今年度は若干さがりまして5万円ということになりますが、70台位を予定しております。先日プレス発表しまして、さいたま市では、6月より補助を開始するところです。

 

司会)

 さいたま市では、だいぶ早くから区役所につけられていて、桜区役所では桜色、緑区には緑色ですよね。岩槻区は何色ですか。

 

田中) 

 山吹色ですね。(会場;へ~)

 

司会)

 面白いことをやられていますよね。

 

兵庫県民局:地白)

 

 昨年も、私、地白と、細川とが、本カンファレンスに参加させていただきました。今年は、兵庫県庁の担当の新井さんも一緒に参加させていただきました。

 昨年11月、淡路島で大きいEVのイベントがありました。EVOCの皆さんはじめ、いろんなメーカーさんにもお声掛けさせていただいて、たぶん世界初であろうEV屋台も出来ました。EVOCサイトにもこのイベントをご紹介いただきました。ありがとうございました。

 私どもは、i-MiEVを一台公用車として普段使っています。淡路島の方では、淡路環境未来島という構想では、2050年にはエネルギーを100%自立しようと壮大な目標を掲げています。今はやりの太陽光発電とかを進めていますが、構想実現の取組の一環で、EVの普及も、兵庫県の中でも淡路島で先駆け導入し進めていこうとしています。

 昨年は、強羅で泊りここまで電車で来ましたが、皆さんのEVの熱い思いを感じまして、今年は、淡路島からi-MiEV乗っていけと言われましたが(笑)、 そこまでは、ちょっと自信がなくて、新幹線で小田原まで来まして、そこからリーフを借りてやってきました。

 普段乗っているi-MiEVの個人的な感想になりますが、軽でありますが、坂道を登るときにも、アクセルの踏み込みに対して素直にパワーとして感じられるとか、コーナリング時にもあまりぶれず、非常に快適に利用させてもらっています。公用車ということで、一般の皆さんにも当然使っていただけるようにしているのですが、イベントの時のアンケートによると、電気自動車は値段が高い、航続距離の心配、充電に時間がかかるなどの不安があって、なかなか手が出せないというアンケート結果でした。実際に使ってくださいと言っているのですが、淡路島なので、周囲ぐるっと回っても150km位なので、十分いけるのですけど(笑)。 エアコンいれると距離が減ってしまうので不安と、その辺りが一般に感じられているところなので、今後、2020年位本格的にいろんなEVが出てくるということでしたが、充電器もそんなに混まないというお話でしたが、実際はどうかなあと感じたところでした。

 EVの施策としましては、これまでも国の補助金に対し上乗せして補助金を出していましたり、EVのイベントを行なったりしました。補助金は終了しましたが、今年は、横浜市さんでも行っている超小型な小さなモビリティを島内で試験的に走らせて、観光客のみなさんに使ってもらおうと考えております。

 

司会) 淡路島では農産物なんかかなり自給率は高いのでは?

 

白地) いま自給率は100%超えています。

 

司会) これで、電気も自給できれば、独立できますね

 

地白) 若干、関西の方では有名な上沼恵美子さんか、「あわじ国」として独立宣言し、PRしましが、、、

 

司会) 水はどうなんでしょうか?

 

地白) 水は、淡路では自給出来ていないですが、明石海峡大橋つかって本州から水いただいています。

 

小田原市:山下)

 環境政策課の山下です。県や政令指定都市とくらべれば、小田原市は小さな市ですので、やっていることは些細なことですが、電気自動車に関してはかなり早くから導入しております。最初に公用車としてEVを導入したのは平成3年でした。電気自動車はCO2対策の決め手というお話がありましたが、当時は、六都県市(神奈川県、東京都、千葉県、埼玉県、横浜市、川崎市)で取り組んだ冬季の自動車交通量対策、すなわち、冬季はチッソ酸化物の濃度が上がるので、その対策として電気自動車の導入ということを始めたのがきっかけでした。神奈川県が全部で10台購入し、各市で購入するというのが最初でした。ダイハツのハイゼットバン、ハイルーフ仕様で、リアのシートの下に12Vのバッテリーが8個入っていて、ノーマルよりも100kg近く重く、タイヤは転がり抵抗をよくするためにノーマルよりも細い特注品でブレーキが効かない。前に飛び出されたら絶対人をひくなと感じるそんな車でした。

 ディーラーさんの説明会があったのですが、坂道登るときは、下で勢いつけてから登ってください。インバーターもなかったのでアクセルも常に全開で、シフトチェンジでスピードコントロールしてくださいと。そうしないと航続距離がどんどん落ちました。あと、鉛蓄電池ですので、1カ月で20ℓ位、バッテリー蒸留水を入れないといけないんですよね。その時には水素が発生しますので、絶対に近くでたばこを吸わないでください(笑)。とそんな車からスタートしました。

 電欠もしょっちゅうで、交差点のど真ん中で停まったこともありました。そういう時は、「電気がなくなっても、電源切ってしばらく待っていると多少復活するので、その力で帰ってきてください」というディーラーさんの説明でした。

 その後、トヨタさんRAV4を2台購入しまして、初めてニッケル水素電池を積んだ車でした。当時一台500万円くらいだったと思いますが、そのうち400万円がバッテリー代ということで、4,5年使ってバッテリー交換するときに、400万円ですと言われ、とても替えられないということで、そのまま廃車にしました。ただ、この車は、ほぼ普通の自動車として使える車でしたね。航続距離も市役所の日常業務には十分でした。

 その後、ハイゼットバンがマイナーチェンジし、12Vバッテリーを10個積んだモデルを5台公用車として購入し、それは割と普通に使われていました。やはり、鉛蓄電池ですので、2年経ちますとバッテリーを交換しないといけなく、メンテナンス性としてはあまりよい車ではなかったと思います。そのあと、日産のハイパーミニを購入しました。その車は、業務使用だけでなく、市民の皆さんに一時間単位で自由に使ってくださいと、貸出もしました。アンケートもとり、どうやれば一般に普及するかなという研究にも使わせていただいたものです。その後、3輪を買い、現在はリーフを地元の国際ソロプチミスト協会からご寄贈いただきまして、使わせてもらっております。リーフに関しては、なんのストレスもなく使える車ですので、他の庁内部署でも活用させていただいております。ただ、夜間しかできないようにプログラムを組んでいましたので、夜しか充電できないのですよね。他の部署に貸した時に、その部署がたまたま遠出して100数キロ乗っていて、午後から使おうと思っていたら全然バッテリーが残っていなくて慌てたということがありました。そういった時の不便さがありましたが、それ以外はほんとに普通の車です。

 前の市長から今の市長にかけて環境問題に熱心だったこともありまして、地元の企業さんですとか、早稲田大学の大聖先生とご相談しながら、電気自動車普及促進会議を平成10年度から作って、そういったところで、どうやって市民の皆様に普及していこうかと研究をいろいろやってきた経緯があります。

 平成24年度に、電気自動車だけを頑張る時代ではないだろうということで、スマートシティプロジェクトという機関の名前を変えまして、ソニーの常務取締役だったかたが会長を務めていただいて、電気自動車だけでなくて、いろんな環境にいいスマートシティを目指していこうという活動をしています。年に一度、大きなイベントを地元の大型大規模小売店でやらせていただていますけれども、昨年度につきましても、EVOCさんにもご参加いただきまして、テスラ、i8、i3を展示させていただき、お店の方から大変好評だったと喜ばれた経緯がございます。

 市としては、普及施策としての自動車購入補助だけの時代は過ぎたのかと考えておりまして、今後は、インフラ整備とかが大事になってくるのではと思っております。幸いスマートシティプロジェクトに参加していただいている地元企業の理解のある方が、お店に充電器をつけていただいたりとか、その会長さんが非常に熱心な方で、こことここにあって、こちらにないので、こちらでだれか作ってよというと、本当につくってくれたりとか、インフラ整備がすこしずつ広がっているような状況でございます。

 これから、EVの航続距離が伸びてくるとFCVにする必要は個人的には必要ないと思うのですが、FCVの水素ステーションは神奈川県西部にはない状況で、今後FCVの普及に関してどうなっていくのか、国、県の動向を見据えながら市としても考えていきたい。

 

司会)

 ありがとうございます。筋金入りですね(笑)。EVの一回や二回の電欠など、とても足元にも及ばない、止まらないEVの話は大変面白かったですね。さらに、各自治体の施策についていかがでしょうか?

 

神奈川県)

 神奈川県では、EV、FCVどちらも普及させていくスタンスです。県内では水素ステーションは11か所しかない状況ですけれども、それぞれの良さをユーザーさんに選んでいただいて、EV、FCV両方とも普及を進めていくスタンスでございます。

 神奈川県では、個別の初期需要に創出に必要な購入費補助を、終わってしまっているという状況ですけれども、21年度から24年度まで実施していました。EV普及台数というのは、メーカーさんの聞き取りですが、8300台、おそらく日本で一番、実際には廃車している車両もあるかと思っていますが、実数というのは把握していませんが、非常に多く走っていただいている状況です。

 初期需要の創出が終わったという中で、今後、どういう方向でやっていっているのかということですが、一つは、「乗ってもらうということが本当に大事だ」と、うちの知事からも「『「普通に使える車なんだ』というところをしっかり県民の皆さんに見ていただけ」という話があり、ひとつは、EVOCの皆さんにご協力いただいて試乗イベントなどをさせていただいています。今年も、会場の都合で日程は確定できていないのですけれども、9月には赤レンガ倉庫でやらせていただきたいと思いますので、是非、ご協力の程よろしくお願いします。

 あと、EVに触れていただきたいといことで、この箱根におきまして、EVシェアリングということで、観光で来ていただいた方の二次交通手段という形で、ホテルにEV5台程度設置しており、お客様に乗っていただくというようなことを取り組んでおります。去年、ご存じのとおり箱根はいろいろありましたので、色々厳しいところもありましたが、今年はそういうのもなくなりますので、今年7月からの夏の旅行シーズンなども含め、JTBさんにご協力いただいてEVシェアリング事業を進め、みなさんに乗っていただきたいと考えております。

 施策の位置づけという形でも、エネルギー問題としてこのEVの活用普及を図っています。太陽光は不安定な電源である訳で、それをコントロールするための蓄電池という役割ですね、そういったところで活用を期待し、普及を進めさせて頂いております。

 

司会)

 自治体の皆さんには、こんな事を考えてもらえないかというのもあると思いますので、まとめて行きたいと思います。

 最後のところになりますが、先ほど申し上げた、夢の話ではないですが、内田さんから今後のラインナップとしてSUV中心である、海外勢からもこれから入ってくるかもしれないというお話でした。ラインナップとしても私は狭いと考えていますけど、これは、今後どうなっていきますでしょうか?

 

内田)

 バッテリーの普及次第だと思うのですよ。それと、簡単に言えば、密度が上がってきて、セダンで乗る距離、日常生活で使える距離のものが出てくれば、セダンも普及するだろう。ただ、全般的に、世界中の自動車メーカーが作り始めているのはSUVなんですよね。

 

司会) これは20年の境を過ぎても、SUVですか。

内田) そうですね。

 

今後の次世代自動車への補助金はどうなる?

桑原)

 折角自治体さんがいらしているので、オーナーが何を望んでいるのか聞いていただきたいのですが、一番私が思うのは補助金です。EVが出たばかりのころ、ものすごい補助金を出していただいて、おそらくみなさん、それに、恩恵を受けた方がたくさんいらっしゃると思います。私もi-MiEVを買ったときに、補助金が150万位でました。でも、それは車が450万の時代でした。それからしばらく続いて5、6年続いたんですけれど、今では補助金が減ってきて、最近では20万位に下がってきました。

 今後、二次世代のバッテリーが出てくると、値段はソコソコ高くなるのではないかと思うんです。もちろんメーカーさん頑張って安いEV出してくるんだろうとか。RVRは300万切ってくるじゃないかという噂もあります。300km400km走れば、それはそれで補助金なくてもいいのかなと思うのですが、そうはいっても、まだ外車も含めて結構高いですよね。もう根付いているんですよね、「EVって高いんでしょ」と、必ず言われる。だから、やっぱり補助金かなって、思うんですよ。たとえば500km走って500万円の車が出たときに、ほんとにみなさん買うのでしょうか? 我々は買いますよ、良さを知っていますので。一般の人たちが買う時に500万といえば、なかなか買わないとおもうんですよね。やっぱり、補助金が必要なんだろうと思うのですが、今後、補助金が増えるということ、二次世代のバッテリーが出て普及時期に入って来た時に、もっと後押しするような補助金、もしくは自治体さんの施策、補助金だけでなく、たとえば、この間、経産省さんにも実行していただきました高速補助、大変有難かったです。私も5万円近くいただきました(笑)。 という風な施策をどんどん打って弾みをつけないといけないじゃないかと思うのですけけど、いかがでしょうか、鈴木さん!(笑)

 

鈴木)

 車両の補助でいいますと、世界で車が売れている国を見ると、それぞれ、特色があると思うんですよね。たとえば、中国でいうと、車両の半分くらいの補助金が出まして、実際乗る人がもらっているのか分かりませんが、昨年EV・PHVが20~30万台規模で売れていたという。オランダでは、補助金は無いですけれども、カンパニーカーの税優遇変更にかかわり三菱のアウトランダーはEV・PHVで一番売れたということがあったりします。確かに、補助金があれば、クルマが売れるというのもあるかもしれませんが、経産省としては、補助金だけではなくて、燃費だけでもなく、いろいろな角度から、クルマが普及しやすい状況を作ろうという考えです。

 補助金の額が、今後増えるかというと、現実にはなかなか難しいじゃないかなと思います。理由は、初期需要の創出ということと、市場の形成っていうのがあって、2009年から車両の補助を続けていまして、やはり、ある程度のタイミングで一般車に近づくなかで、補助を卒業するというタイミングが来るものだと考えています。

 必ずしも比較できないですけれども、ハイブリッドの場合は、1997年から実際11年位たぶんつづいたと思うのですが、たとえば、昨年でいいますと、実質300億円の車両補助がありました、その前の年も300億近くありまして、今年度137億ということで半分になります。それは、クリーンディーゼルの補助額を下げたり、EV,PHEVの補助金単価を電池容量1kWhに応じて1.1万円と今年から変わってきていますが、そういう変更があったりしています。今後は、電池が大きければいいのかどうかということ、一車両あたりの補助単価を上げていくというのは非常に大変なところがあります。それでも、なんとか、普及しやすい値段の設定に電池価格の単価が下がっていくように研究等通じてやっていますので、その結果、買いやすい、普及しやすい、魅力のある車が出てきて選択肢が増える、同時に値段もそれなりに落ち着くように進めて頂きたいということなんですよね。

 そういう意味では、補助に関しては、先ほどお話しした通り、必ずしも来年どうなるかわかりませんが、全体を通じて、必ずしも大判ぶるまいにはならないのではないかと思っております。

 

司会)

 補助金以外の施策的に、乗り入れするゾーンをEV専用に絞っていくというのはいかがでしょうか。たとえば、PureEVはここに入れるよ、駐車するスペースの優遇であったりとか、当然二酸化炭素税とか作っていただいても結構ですので(笑)。補助金以外の所でEVを優遇していただく。環境に貢献しているのですからね。ガソリン車とは差別化していくという色分けも必要なのかなあと個人的には思っていますが、どうでしょうか?

 

鈴木)

 色々いただいているお話しは、トライはしようとしているのですが、国で出来ることと、自治体さんで出来ることは分かれているのでしょうが、なかなか、むずかしいんですよね~(小さな声)。たとえば、専用ナンバープレートとかもあったらいいなあという声があります。たまたま、昨日、オリンピックのナンバープレートが発表されていましたが、このような取組を実現するためには、まず法律改正や、業者の選定や生産能力など、いろいろ考慮するとなかなか難しい点が多いのではないかと思います。

 

マンションへの充電設備

Q&A

EVOCメンバー)

 マンションに住んでいらっしゃる方がたくさんいますが、私もマンション住まいの時に、東電さんといくら折衝しても、共同の場所であるが故に、単独で引くことは相ならないということで、一旦は、電気自動車をあきらめていました。結果、河口湖に引っ越しし、家を立て直して、そこで実現していることなのですが、一般にマンションでEVを持つというのは、日本の場合は特に大きな問題だと思いますので、電力の自由化の一つと言いましょうか、何かそういうような動きというか、今後の見通しみたいなものはありませんでしょうか?

 

鈴木)

 マンションへの充電器の設置について、新築時にマンションデベロッパーがつけるか、既築に対して設置していくかしか、方法がないのですが、新築時には、やっと、少しずつつき始めています。先日とある大阪のマンションデベロッパーの所に行った際に聞いたのですが、そこでは駐車場40台くらいに対して2基程度の充電コンセントをつけ始めているそうです。姫路で売られた新築マンションについては、駐車場40台に対して、EV・PHEVの所有者や将来所有したいという方から10件の申し込みがあって、結局抽選で10件の2件だけがEV充電コンセント付駐車場の権利を得て、残りの8件の方は、EV充電コンセント付場所に借りたようですが、そのようなことも起き始めつつあります。

 新築については大きいデベロッパーさんから、順番に、新築時に充電器を設置するという動きが始まっていますので、このEVOCさんはじめ、いろんな皆さんの声を業界関係者に上げていくことが重要なのかなと思っています。

 これは法律で定めるとかできないですので、どうしても商用ベースとなります。つまり、デベロッパーさんが考えていることは、今、EV・PHVがまだ普及していないから充電器はいらないのではないかと思われるケースもあるので、普及させるためにはデベロッパーの意識を変えていかないといけないいうことです。EVの購入者層のほとんどが戸建て居住者であるという現状があります。潜在市場を広げるという意味ではマンションへのEV充電コンセント設置に力を入れないといけないと思っています。

 一方、既築に関しては、一旦建ててしまうと、建て替えまで50年~60年EV充電コンセントが設置されにくい現実があります。設置しようとすると、マンションの管理組合での合意形成を3/4とりつける必要があるし、さらに、仮に設置費用が掛からなかったとしても、EV、PHEVに乗っていない人がその受益を得られないから反対する人がいるとか、いろんなことがあって、コンセント一基つけるための合意形成はとても大変で、組合の理事長が強力に推進しない限り難しいというのが現実であります。実際、先日、私が行ったところでは、一年半かかったものの、40世帯位ですがコンセント2基つけるというマンション管理会社の方の話を聞きました。そこでも、補助金があることで、組合の合意を得られやすくするとかあると言っていました。

 既築でもこのようなEV充電器を設置できるといういろんな事例を紹介していくということ、新築では、まずEV充電器を設置する必要があるんだよということを周知していくことが必要だと思っています。神奈川県でいいますと、横須賀市で、市の担当者自身が市でもマンションへの充電器の補助を用意しつつ、マンションのデベロッパーさん、および、管理組合の方に対しても充電器の設置はどうですかと直接的な営業もされている自治体さんもあります。そう意味で、いろんな方が、いろんな形で働きかけをしていくことが必要なのかなと思います。とはいえ、急に、マンションすべての駐車場に充電器が付くというのは、電気容量の関係で現実的には難しいので、マンションを建てる際に少なくとも5%から10%相当の駐車場マスにEV充電コンセントをなんとかつけるようにして頂きたいと思っています。実際には機械式駐車場が多いと思いますが、機械式駐車場は、新築の時であっても、平置に比べて工事費もかかりますし、既築の場合にはさらにかかるので、現実的には、すこしコストがかさむということではありますが、マンションへの充電設置を増やすというのは、これからの重要な課題であることは認識しております。

 

司会)

 後半、充電の話をいたしますので、このあたりで、前半午前中は終了しまして、お昼休みに入りたいと思います。

 

[EVOCカンファレンス2016 in HAKONE] 討議内容 レポート 午後の部(その1) に続く

 

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