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2013-02-05 15:13:45miniCAB-MiEV Driving Report<総合編>

miniCAB-MiEV CD16kW 総合編>

 
今回のテスト車種
MITSUBISHI 
miniCAB-MiEV
CD16.0kWh
4シーターハイルーフ
チタニュウムグレーメタリック


 
装着OP:純正ナビ、急速充電リッド、キーレス、EVデカール、寒冷地仕様



miniCAB-MiEVは三菱自動車が運送会社などと実証実験を繰り返し
2011年12月に満を持して正式に一般販売を開始した。
一足先に販売されたi-MiEVと比較しながら検証してみたい。

今回のチャレンジは、miniCAB-MiEV16kWを3日間借用して、市街地と
高速道路をトータル370kmほどテスト走行した。


<通勤編>
miniCAB-MiEVの真骨頂は市街地走行である。
商用車の使命である物品を運ぶというニーズを最優先した設計がなされてる。
ある意味割り切った装備の簡素化、走行性能のプログラムがこの車の使命を
表現している。
テスト走行は私が普段通勤しているルートと全く同じルートを走行し、i-MiEV
10型と比較してみることにした。




真冬の一番冷え込むこの時期、EVにとっては過酷な季節となる。
冬場EVに乗ったことのある人はお判りだろうが、EVは燃焼装置を持たないため
余熱で暖房する事ができないので、メインバッテリーでヒーターを作動させ温水を
暖めて車内に温風を噴出す。よって暖房をONすると消費電力が4kWhにも及ぶ
ヒーターが作動し、えらく電力を消費してしまうのである。
ヒーターを使わない時期に比べ走行距離が半分になってしまうこともあるのだ。

テスト当日の朝は曇りで日が出ていないし、気温も2~3℃と低めだ。
夕方から冷たい雨模様になり、本格的に降り出した。

自宅をフル充電で出発。
●残量計目盛16セグ
●走行可能距離129km(ヒータOFFで計測>ONだと74km)

ヒーター最初最高でON、車内が温まったら最低でON、シートヒータ常時ON
ダウンジャケットとひざ掛けは必需品だ。しかし業務で使用する場合ひざ掛け
なんぞ無理だろう。車内は18℃~20℃に保ったまま走行することにした。
走行パターンはいつものようにBモード・・・回生ブレーキがi-MiEVの2倍以上
効くような感じだ。普通の流れに乗って走行し75分ほどで到着。

環八通りから国道1号線を通り
横浜鶴見に到着した時点で(34Km走行後)
●残量計目盛12セグ
●走行可能距離89km(ヒータOFFで計測>ONだと46km)


この時点で普段のi-MiEVとほとんど同じか、1セグほど良い結果だ。

帰路は冷たい夜の雨の中を走行、自宅に着いた時点では・・・
ヒーターは中、ファンは3段階中の1だが結構風量がありうるさいくらい。
途中ウィンドウが曇ってきたのでA/CまでONして除湿暖房!!
このパターンが一番電力を消費するのだ。

●残量計目盛2セグ
●走行可能距離12km(ヒータOFFで計測>ONだと8km)
●トータル ヒーター3時間強ON、A/C1時間ほどON、シートヒーター常時ON

68km÷14セグ=4.86km/1セグ

上記のような結果だが最悪の条件で約68Km普通に走って
いつもより1~2セグ(10%ほど)i-MiEV(10型)より良い結果となった。
要因は回生ブレーキが強化され、さらにフットブレーキとの協調回生による
電力回収が優れていることに尽きる。


走行の詳しい解説はYOU TUBEで是非動画をご覧頂きたい。
http://www.youtube.com/watch?v=LivLha-Cj8c&list=UUOy5RdE9lcMj0D2YHxo7-3w&index=1&feature=plcp

<高速編>
miniCAB-MiEVは車体形状からも解かるように決して空力性能はよろしくない!
さらにギア比が低い上、タイヤも小さいトラック用タイヤだから、高速走行が
得意な訳が無いのである。
それでも高速を使う人は多いはずなので検証せねばならぬのだ。
(三菱のMiEV担当者曰く・・・miniCAB-MiEVは商用車で市街地走行を
 想定しているので、ロングや高速走行は想定していません・・・と)
この割りきりがお見事って言うか、オールマイティではないということだろう!

事実、miniCAB-MiEVにはi-MiEV(G)16kWに搭載されているA/Cを使った
冷却システムが省略されているのだ!大丈夫か!??
10.5kWの東芝SCiBならもともとi-MiEVにも冷却システムは無いのだが
GSユアサの16kWで冷却システムが無いとは正直びっくりした。
その代わりの対策としてminiCAB-MiEV16kWタイプでは急速充電時の
受け入れ電流を60Aに抑えて、バッテリーの発熱を制御しているのだ。
当然急速充電にかかる時間は長くなる。
80%まで最低で35分、先日高速を走行した後急速充電をしたら80%まで42分
もかかる。95%までやったら1時間以上・・・ちょっと実用的ではないかも。
因みにminiCAB-MiEV 10.5kWの急速充電時間はi-MiEV(M)同様非常に早い。




EV QUICK国立市役所で95%(16セグ弱)充電して
中央道国立府中ICから甲府を目指す。

●残量計目盛16セグ弱(95%)
●走行可能距離135km(ヒータOFFで計測)
●ヒーターOFF(到着間際15分だけMAXで1セグ消費)
 A/C OFF、シートヒーター常時ON
●常時Bモード走行








高速では、登り60km/h前後、降りは70~80Km/hほどで走行。
標高差は600mくらいある。




一宮御坂ICで降りて、朝日屋さんと酒屋、日帰り温泉を経由し



101km走行して甲府の甲斐日産に到着。

EV QUICK甲斐日産自動車 本社
●残量計目盛0セグ 亀マーク
(最後残しても仕方ないのでヒータ15分MAXで1セグ消費)
●走行可能距離---km
●トータル ヒーター15分ON、シートヒーター常時ON

101km走行で95%→8% 16セグ→0セグ
101÷16×87%=101÷13.92=7.25km/kWh

101÷15セグ=6.73km/1セグ(95%からなので1セグ差し引き)
電費結果は以上である。

同行したカールさん運転のi-MiEV 11型の電費は以下の通り
日産プリンス 美術館通り本店で充電し
●残量計目盛2セグ

●走行可能距離21km
105km走行で92%→22% 15セグ→2セグ
105÷16×70%=105÷11.2=9.38km/kWh
105÷13セグ=
8.08km/1セグ

miniCAB-MiEVはヒータで1セグぐらい消費したが
帰路は逆にi-MiEVがヒータを使用したのでトータル電費で最後に
比較すると正確になると思われる。

両車とも95%まで充電完了し残量計は以下のように復活!
miniCAB-MiEV:0→16セグ 走行可能0→167km(50分→もっと長い)
i-MiEV 11型  :2→16セグ 走行可能21→140km


充電完了しそれぞれ甲府南、甲府昭和から中央高速に乗り境川PAで合流。



その後一路東京を目指すものの、両車とも思ったより距離が伸びず
96Km走行した時点で再度国立府中ICで下車し、国立市役所へGO!




び充電だが半分も充電すれば余裕で帰宅できるので50%ほどで完了!

EV QUICK国立市役所

●残量計目盛1セグ 
(寒さのためヒータ15分1セグ消費)
●走行可能距離12km
●ヒーター15分ON、シートヒーター常時ON

96km走行で95%→18% 16セグ→1セグ
96÷16×77%=96÷12.32=7.79km/kWh

96÷14セグ=6.86km/1セグ(95%からなので1セグ差し引き)

同行したカールさん運転のi-MiEV 11型の電費は以下の通り
●残量計目盛1セグ

●走行可能距離11km
●ヒーター30分ON

98km走行で95%→16% 16セグ→1セグ
98÷16×79%=98÷12.64=7.75km/kWh
98÷14セグ=7.00
km/1セグ(95%からなので1セグ差し引き)


miniCAB-MiEV
TOTAL電費:197km走行  29セグ 13.92+12.32=26.24kWh


miniCAB-MiEV高速電費結果:
197÷29=6.79
km/1セグ  
197÷26.24=7.51km/kWh


i-MiEV 11型高速電費結果:
203÷27=7.52
km/1セグ  
203÷23.84=8.52km/kWh


ヒーター使用は大体同じような時間だったようだ。
i-MiEVに比べて高速電費は10%強悪い結果となった。
市街地走行とは全く逆の電費結果となった。

miniCAB-MiEVについての総評は次回に・・・くまさん記



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