よこよこさんのBlog
i-MiEV(X)の運用を開始して5年で10万キロ走りました(データ編) 2019-06-12 21:51:47
2014年3月21日に納車された私のi-MiEV(アイ・ミーブ)。
納車後無事に5年が経過し、走行距離も100,000kmを突破しました。
過去にもブログでご紹介したこともありますが、トリップメーター、Canion、
EvBatMon、燃費マネージャー、関西電力の検針票を基にデータを月ごとにまとめています。
1つの大きな区切りでもあるので、得られたデータを私なりに集計したのでご紹介します。
今回は、より多くの方にご理解頂けるように(独りよがりにならないように)
i-MiEV購入店の経理の年輩お姉さまにも2回チェックをお願いし助言をもらいました。
※あくまで私の実績をまとめたもので全ての場合で同じ結果になるとは限りません。
1つの実例として参考にしてください。
ご紹介する数値は得られた数値を四則演算、平均などしたものです。
詳しい方には物足らない内容かもしれませんがご容赦ください。
もし計算方法など間違っているのでは?と思う部分があれば教えてください。
また、EVにお乗りでない方に取っては少し難しい内容かも知れません。
過去のデータは下記をご覧ください。
4年経過時のまとめブログは、こちら にupしています。
3年経過時のまとめブログは、あちら と こちら にupしています。
2年経過時のまとめブログは、あちら と こちら にupしています。
まず私が使用している車両等を改めてご紹介します。
購入車両:2014年製 i-MiEV・Xタイプ ヒートポンプエアコン車です。
(家庭用エアコンと原理が同じヒートポンプエアコン車の方が電気温水式ヒーター車より省電力です)
2014年3月21日納車から2019年3月25日(関西電力の検針日)までの走行距離は100,912kmです。
月ごとの数値をまとめると、次のような値となりました。
―「大阪・日平均気温の月平均値」―(グラフをクリックすると大きくなります)
ご存知のようにバッテリーは気温によって容量が変わるうえに、
夏や冬は駆動用バッテリーの電力を冷暖房にも使うので、一充電走行距離は気温の影響を大きく受けます。
i-MiEVを運用し始めてから5年間の大阪の日平均気温の月平均値をグラフと表にまとめました。
引用元
気象庁ホーム>各種データ・資料>過去の気象データ検索>大阪>観測開始からの月ごとの値を表示
(グラフをクリックすると大きくなります)
平成30年度に関しては、夏は記録的な高温、冬は暖冬傾向と言われました。
具体的な数値で言えば、7月と8月は1日の平均で30℃間近、1月と2月は平成28年度と同等でした。
―「5年間の電費」―
エンジン車で燃費に相当する値として、電気自動車(EV)は電費と言う値を使います。
エンジン車のガソリン1Lで何km走るか?と同じく、
電気自動車は1kWhの電力で何km走るか?を表します。単位は「km/kWh」です。
(H30年度)年間平均電費:10.34 km/kWh
(5年間の) 通算電費:10.69 km/kWh
(H30年度)月平均最高電費:12.12 km/kWh (6月)、2位:11.06 km/kWh (5月)
(H30年度)月平均最低電費:9.16 km/kWh (2月)
年間平均で見ると、5年目の年間平均は1年目の年間平均10.37km/kWhと同等です。
3年目に天井に保温材と保温シートを追加、4年目にフロアとドアに保温材と保温シートを追加したことで、
冷暖房による電力消費が節約され、駆動用電池の劣化を補っているものと考えられます。
5年間の推移をグラフと表にまとめました。(グラフをクリックすると大きくなります)
6月だけを見ると5年間で最も良い電費を示していますが、
ビワイチ無充電走行チャレンジ を行い、180.2kmを充電せずに走ったデータが反映されています。
―「(H30年度)一充電走行距離」―
一番聞かれる質問「一回充電して何km走るの?」です。
年間平均 充電後走行距離:44.91km 残り走行可能距離:65.80km 左記2つの合計:110.71km
最高(6月)充電後走行距離:54.59km 残り走行可能距離:73.33km 左記2つの合計:127.93km
最低(2月)充電後走行距離:33.33km 残り走行可能距離:64.32km 左記2つの合計: 97.65km
※充電後走行距離と残り走行可能距離の合計の最高月、最低月それぞれ同じ月の充電後走行距離と残り走行可能距離です。
具体的には・・・充電後走行距離と残り走行可能距離の合計の最高月を選択
→ H30年度の最高月は6月 → 6月の充電後走行距離と残り走行可能距離を上記に記載。
同様に最低月も同様の作業を行いました。
※途中で補充電した時は、充電電力量と電費から計算した距離を充電後走行距離から引いています。
充電後走行距離、残り走行可能距離、大阪・日平均気温の月平均値をグラフにまとめました。
(グラフをクリックすれば大きくなります)
―「(5年間の)一充電走行距離」―
H30年度はH29年度と比べると、冬が暖冬であったこと、
リセット時の電池残量(SOC)平均値が高めであったことから、特に冬期の一充電走行距離が伸びています。
5年間の数値を棒グラフにしてみました。(グラフをクリックすれば大きくなります)
上記数値の計測開始時の電池残量(SOC)は必ずしも満充電(100%)ではないので、
それぞれの月ごとにリセットした時の電池残量(SOC)の平均を計算し、カタログ値と集計値の比較を行いました。
―「一充電走行距離の実績とカタログ値の比較」―
年度ごとの充電後に走った距離と残り走行可能距離表示の合計値を下記に記載します。
(H26年度)充電後走行距離+残り走行可能距離の平均=105.35km
(H27年度)充電後走行距離+残り走行可能距離の平均=105.00km
(H28年度)充電後走行距離+残り走行可能距離の平均= 97.41km
(H29年度)充電後走行距離+残り走行可能距離の平均=103.37km
(H30年度)充電後走行距離+残り走行可能距離の平均=110.71km
(5年間の)充電後走行距離+残り走行可能距離の平均=104.37km
1回の走行で約100kmと聞くと、「ガソリン車と比べると走れる距離が短い!」とお感じかもしれませんが、
兵庫県南東部のi-MiEV購入店を起点としてGoogleマップで調べてみると・・・
姫路三菱・太子店:一般道のみで約87km 、姫路三菱・和田山店:一般道のみで約104km
名神高速・菩提寺PA:約83km 、 新名神高速・土山SA:約106km
イオンモール和歌山:約101km
この辺りまで走れば「休憩しよう」となりますよね。
休憩のついでに充電すれば良いので、約100km走れれば少なくともセカンドカーとしては十分な性能です。
カタログに記載の一充電走行距離は、満充電(100%)から走行した場合の値です。
実績値は満充電からの値でないので、そのままでは比較することは出来ません。
条件を揃えるために、年度ごとにリセットした時の電池残量(SOC)と満充電の割合を計算し、
実績値とリセットした時の電池残量(SOC)と満充電の割合から満充電から走行した場合に走れた距離を計算します。
例:H26年度リセットした時の電池残量(SOC)平均 87.572%
リセットした時の電池残量(SOC)と満充電の割合=100÷87.572=1.141
同様にH27年度からH30年度までそれぞれ計算し、満充電から走行した場合に走れた距離を計算します。
(H26年度)一充電走行距離 105.35km → 満充電換算値=105.35×1.141=120.29km
(H27年度)一充電走行距離 105.00km → 満充電換算値=105.00×1.204=126.42km
(H28年度)一充電走行距離 97.41km → 満充電換算値= 97.41×1.241=120.89km
(H29年度)一充電走行距離 103.37km → 満充電換算値=103.37×1.184=122.39km
(H30年度)一充電走行距離 110.71km → 満充電換算値=110.71×1.124=124.44km
(5年間の)一充電走行距離 104.37km → 満充電換算値=104.37×1.171=122.22km
H30年度の満充電換算値:124.44kmは、カタログ値172kmの72.34%に相当します。
EVもガソリン車と同様に「一充電走行距離はJC08モードの約70%が目安」です。
小さい文字ですが、それぞれをエクセルで計算した根拠を下記に示します。
(表をクリックすれば大きくなります)
―「移動費(自宅充電+電動車両サポート基本料金+充電器利用料)」―
エンジン車の燃料代に相当する電気代
(自宅充電+電動車両サポート基本料金+充電器利用料)を移動費として計算しました。
この1年は1ヶ月平均で約1,600km走行しましたが、基本料金+充電器利用料の合計は約1,400円で、
自宅充電を加えても約1,700円です。1kmを約1円で走った計算です。
月々のガソリン価格から燃費に換算すると1年間で約163km/Lと言う低燃費です。
数字が小さいですが、過去2年間のそれぞれの金額などを下記にまとめました。
(表をクリックすれば大きくなります)
※関西電力の検針日を月の区切りにしているので、無料充電は最大1,000円まで。
平成30年6月から電動車両サポートをベーシックからプレミアムへ変更しました。
・プランを変更した理由
(1)駆動用電池の劣化から普通充電の頻度を増やして電池残量(SOC)を高めにし、
電池の利用可能領域を増やすことで、一充電走行距離を確保できる。
(2)家族の勤務地が変わり、待合せ鉄道駅近くのトヨタ販売店と家電量販店に
電動車両サポートが使える普通充電設備が設置されているので、時間調整の間に普通充電がしやすい状況になった。
(3)電動車両サポートが使える普通充電設備が設置されている宿泊施設が増えた。
―「電動車両サポート・プラン比較」―
個人ユーザーでは、ベーシックとプレミアムの2つのプランのどちらが得か解りにくいです。
私のH30年度の実績では、プレミアムの方がお得な結果になりました。
(表をクリックすれば大きくなります)
6月から電動車両サポートのプランをベーシックからプレミアムへ変更しました。
多くのトヨタ販売店に電動車両サポートが使える普通充電設備が設置されていることもあり、
時間調整時などにトヨタ販売店で普通充電を行うことが増えました。
―「5年間の月別走行距離」― (グラフをクリックすれば大きくなります)
(H30年度)月平均走行距離:1,636km
(5年間の) 月平均走行距離:1,679km
(H30年度)月最高走行距離:2,604km(9月)、2位:2,338km(1月)、3位:2,092km(8月)
(H30年度)月最低走行距離: 865km(4月)
走行距離が伸びた月の主なお出かけ先
9月:箱根、岡崎 1月:和歌山県白浜、岡崎 8月:兵庫県朝来市和田山町、岡崎、兵庫県揖保郡太子町
4月のうち2週間は、別のアイ・ミーブに乗っていたので走行距離は伸びませんでした。
―「5年で10万km走って支出した維持費用」―
電気自動車(EV)はエンジンを積んでいないので、エンジンオイルなどの交換が不要で維持費用が安いのは周知の事実ですが、「実際のところナンボ違うの?」と言う記述が私が調べた限りでは見当たらないので、私の実例をご紹介します。
項目と合計額のみ記載します。
・スタッドレスタイヤ前後4本購入+鉄ホイールへの取付工賃(ゴム硬化等で5年で退役)
・夏タイヤ用アルミホイール4本購入と新車装着タイヤへの入れ替え工賃
・夏タイヤ用アルミホイール用ホイールナット
・フロントタイヤ交換2回(26,498kmと76,226km)ダンロップ・エナセーブEC203
・リヤタイヤ交換1回(36,200km)ダンロップ・エナセーブEC203
・ブレーキフルード交換3回(1回は別途保証作業で同時交換)
・ブレーキオーバーホール1回(5年目の車検98,200km)
・トランスアクスル(トランスミッション)オイル(2万キロごとに5回)
・エアコンフィルター(2万キロごとに5回)
・ワイパーゴム(フロント3回〈2回は点検パック特典〉、リヤ1回)
・電装品用補機バッテリー1回(5年目の車検98,200km)
・タイロッドエンドブーツとロアアームブーツ交換(5年目の車検98,200km)
・シャシブラック塗装(5年目の車検98,200km)
・インバーター&モーター冷却用のパワーユニット冷却水交換(5年目の車検98,200km)
合計金額 約200,000円 (軽エンジン車だと約 350,000~400,000円)
→ 軽エンジン車と比べてEVは10万kmで15~20万円安い結果になりました。
プラグやベルトは、そもそも存在しないので交換不要。
ブレーキパッドも回生ブレーキ活用で10万km走行しても3.0mmしか摩耗していません。
交換はまだまだ先と言った状況です。
維持費用は、軽エンジン車と比べてEVは明らかに安く済んでいるのがお解り頂けると思います。
―「移動費の差額集計(1) i-MiEVとシャリオの比較」―
私がi-MiEVを購入したのは、ファーストカーであるシャリオの延命策と言う部分もあります。
同じ距離をシャリオで走った場合と言う条件で、
燃料費、オイル交換、オイルエレメント交換の3つの差額から計算しました。
比較車両:平成8年(1996年)式 シャリオ・リゾートランナーGT(5MT)
シャリオで走るより4年間の累計が「1,120,620円」安い結果+5年目の差額「306,356円」
=5年間の累計「1,426,976円」となりました。
この金額は私が購入した時のi-MiEV車両価格の約69.61%に相当します。
あと3年(合計8年)乗れば、i-MiEVとシャリオの3つの差額で、
アイ・ミーブの購入時車両価格を回収できる可能性が有ります。
前提条件、金額、計算方法などは下記をご覧ください。
(表をクリックすれば大きくなります)
―「移動費の差額集計(2) i-MiEVと軽ガソリン車(NA)の比較」―
先ほどと同様にi-MiEVと軽ガソリン車(NA)の差額を
燃料費、オイル交換、オイルエレメント交換の3つの差額から計算しました。
5年間で走った約101,000kmの差額累計は「659,496円」となりました。
i-MiEVと軽ガソリン車(NA)の差額を70万円とすると、約94.21%に相当します。
差額を70万円とするなら、あと約6,200km以上走らないと回収できません。
前提条件、金額、計算方法などは下記をご覧ください。
(表をクリックすれば大きくなります)
―「5年間の電池容量残存率(SOH)の推移」―
LEJ製駆動用バッテリーは、携帯電話やスマホと同様に時間経過や使用状況に伴い、バッテリー容量が低下します。
それぞれ3月の関西電力検針日の電池容量残存率(SOH)並びに走行距離は・・・
1年経過:2015年3月・・・100.21%( 19,671km) 新車から1年間は劣化なし。
2年経過:2016年3月・・・・95.00%( 45,109km) 1年間で5.21%劣化
3年経過:2017年3月・・・・89.17%( 61,795km) 1年間で5.83%劣化
4年経過:2018年3月・・・・87.71%( 81,293km) 1年間で1.46%劣化
5年経過:2019年3月・・・・80.00%(100,922km) 1年間で7.71%劣化 でした。
2年程度で機種変更する人も多い携帯電話やスマホと違って、
5年で10万km使用しても新車時の80%を維持しています。
三菱自動車工業サイト「i-MiEV よくあるお問い合わせ」 「電池の寿命はどのくらいですか?」によると、「残存電池容量は、5年経過時で新車時の80%が目安」だそうです。
メーカーのサイトに走行距離の記載はないものの、私の駆動用バッテリーは標準的な状態にあるようです。
新車から5年の間にi-MiEV購入店などで測定した電池容量残存率をグラフにまとめました。
(グラフをクリックすれば大きくなります)
グラフを見ると、8万キロ以降(4年経過以降)電池容量残存率の劣化スピードが早くなっています。
新車から5年10万kmの大きな節目でもあるので、次ページ以降で駆動用電池に関してもう少し詳細にまとめました。
―「直近3年間の電池容量残存率の推移」―
測定ツールで毎月記録を始めた直近3年間の関西電力検針日の値をグラフにしました。
(グラフをクリックすれば大きくなります)
プロットした値から線形近似曲線で数式化したものを基に電池容量残存率を計算してみると、
151,000 ~ 154,000kmあたりで電池容量残存率が70%を割り込む?と計算結果が出ました。
―「H30年度の累計走行距離と電池容量残存率(SOH)の推移」―
H30年度は、平均すると1ヶ月で約1,600km走行して、0.64%劣化しました。
(グラフをクリックすれば大きくなります)
今年度の12ヶ月から得られた電池容量残存率予測式から
電池容量残存率が70%に到達する月数と累計走行距離を今年度の1ヶ月の平均走行距離から計算してみると・・・
28ヶ月後に約147,000kmで電池容量残存率が70%を割り込む?と計算結果が出ました。
―「H30年夏の記録的高温と電池容量残存率(SOH)の推移」―
平成30年の夏は暑かったですね。記録的な高温だったそうです。
平成30年7月と8月の電池残存率の推移をまとめたものを下記に掲示します。
(グラフをクリックすれば大きくなります)
平成30年度年間平均では0.1Ahの劣化が約550kmごとだったのに対して、8月5日までは約200kmごと、
8月7日以降は約310kmごとと一定以上の高温は電池の劣化に影響を与えることが解りました。
8月5日から7日に1.0Ah(2.08%)改善していますが、SOC1%から満充電まで100Vで普通充電を行いました。
ちなみに平成30年7月と8月の大阪・日平均気温の月平均値は29.5℃と29.7℃でした。
新品と比べて劣化は有るものの、新車から8年 or 16万km迄で新品の7割未満に劣化すれば、
保証で交換してもらえる安心感が有るので、劣化に対して悪いイメージは持っていません。
冒頭でも記載しましたが、ここに記載しているデータはあくまで私の実績だけをまとめたものですので、
全ての場合で同じ結果になるとは限りませんし、今後も計算式通りに劣化しない可能性も大いにあります。
1つの実例として参考にしてください。
せっかくの機会なので・・・と私なりにまとめた結果、
膨大な量になってしまい、見にくくなってしまったかもしれませんがご容赦ください。
(これでも記録している数値の全てをまとめている訳ではありません)
今後もHA4W型パンフレットと同じイメージカラー&前後にコンセントマークを追加した愛車を実際に色々な場所で走らせてアピールすると共に経年劣化を見守ろうと思っています。
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